20代で患う可能性も!?早期発見で「進行性がん」を防ぐ!

6月9日のニュースで、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの奥様である麻央さんが、進行性乳がんであることが発表されました。発覚は1年8か月前。進行が速く、深刻な状況で、現在は手術に向けて抗がん剤治療をしているとのことでした。

筆者の親族が乳がんを患った際も、発見時には腫瘍が大きすぎて手術ができないため、1年間の抗がん剤治療をして腫瘍を小さくした後に手術で切除しました(治療から5年が経過し、今は再発もなく完治しています)。当時を思い出し、もしかしたら麻央さんも腫瘍が小さくなるまでは手術ができない状況なのではないかと筆者は推測しています

ニュースを聞いていて気になったのは「進行性がん」という言葉。症状がどんどん悪化してしまうイメージを持つ方もいると思いますが、本当のところはどうなのでしょうか?

実は範囲の広さと深さを意味する「進行性がん」というもの

がんの進行度は、一般的に「腫瘍の大きさ」と「リンパ節への転移」、「ほかの臓器への転移」の3要素によって決められており、この要素を基にして、がんの深さと広がりを0からⅣという5期に分けて表現するステージ分類というものがあります。病院でがんと診断されたときに「Ⅰ期です」などといわれるのがこれにあたります。

このステージ分類は「がんがどのくらい進行しているのか」という度合いを表す目安です。数字が上がるにしたがって、がんが進行していく…がんが深く広がっていく…ということになります。

ステージ0

ステージⅠ

ステージⅡ

ステージが上がれば上がるほど進行している事になります。

つまり、進行性がんはスピードではなく、腫瘍のできた範囲の広さと、がんの身体への浸潤の深さ(発生したがん組織が組織内部の深くまで進行すること)のことを指しているのです。

がんの進行は5つのステージに分類することができますが、これはさらに「早期がん」「進行性がん」の2種に大別されます。
表皮から骨までを層に分け、その浸潤の度合いで粘膜下層まで浸潤していれば「早期がん」、筋層以上に広がっていれば「進行性がん」と判断します。

進行性ステージ

がんの浸潤図

参考:がんのき・ほ・ん

がんの進行具合や速度は種類によっても異なりますが、早期がんの場合は血液やリンパ節からの転移が比較的少ないため、治療によって完治する可能性が高いとされています。そのため「早期発見が大切」だといわれているのです。

特に若い人は細胞分裂が活発に行われているため、若いほどがんの進行が速いといわれています。「がんは年を取ってからの病気」だと思っている人も多いと思いますが、子宮頸がんなどは20代から罹患率が高まるという統計もあるほど。現代は2人に1人ががんにかかるといわれている時代。若いうちからでも定期的に検診を受けるなど、万が一の早期発見に備えておいた方がよさそうです。

医学の進歩が進行性がんから命を救う

では進行性がんになってしまったら手遅れなのかというと、そんなことはありません。2011年の地域がん登録全国推計によるがん罹患データによると、女性が患うがんの1位は乳がんですが、2014年の人口動態統計によるがん死亡データによれば、乳がんを原因とした女性のがん死亡率は5位となっています。

2011年のがん罹患数(全国統計値)から見る女性のがん発症部位順

  • 1位 乳房
  • 2位 大腸
  • 3位 胃
  • 4位 肺
  • 5位 子宮

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より

2014年がん死亡データから見る女性の死亡部位順

  • 1位 大腸
  • 2位 肺
  • 3位 胃
  • 4位 膵臓
  • 5位 乳房

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より

またさらには、2003-2005年診断例の5年相対生存率のデータをみると全部部位の平均5年生存率が62.9%に対して、乳房は89.1%と非常に平均より高い生存率となり、他のがんに比べても乳がん生存率が高いことでも知られています。

このことから、乳がんは治療によって完治する可能性が高まっているということが分かります。その理由のひとつが医学の進歩。乳がんの治療には外科的治療(切除)、放射線治療が行われていることは一般的に知られていますが、その他にも化学療法、ホルモン療法、新しい分子標的療法などの薬物療法がおこなわれています。

医療技術や薬物療法の革新によって、症状に応じた療法が選べるようになり、より高度な治療ができる時代となりました。薬で腫瘍を小さくして手術で切除したり、放射線治療でがん細胞を死滅させたりしながら、がんを克服し、元気に日常生活へと戻っていける時代になっているのです。

また昔は進行すれば、乳房を切除しなければなりませんでした。しかし今は乳房をそのまま残しながら治療を行う「乳房温存療法」も選べるようになりましたし、仮にがんが進行して切除しなければならなくなったとしても、乳房再建術で再形成することができるようになりました。できれば温存したまま治療をしたいと思うのが女心。こうした医学の進歩は前向きな治療への大きな一歩となります。

早期発見、治療で完治が期待できるがん。早めの備えが大切

乳がんを含め、こうした医学の進歩や治療法の拡充によって、完治の可能性も期待できるようになったがんですが、やはり気になるのは治療にかかる期間や費用のこと。手術や放射線治療が高額であることはもとより、乳房再建術は2013年から保険の適用となり、2014年からは高額医療費の対象にもなっているものの、やはり診察や治療とともに総合的に考えれば費用が高額となります。
参考:日本経済新聞(2013年6月)/朝日新聞(2016年1月)

さらにがんは完治までに5年間の継続的な治療を続けなければならないのが一般的なところ。治療期間が長くなることを考えると、やはり金銭面は気になるところです。2人に1人ががんになる時代。こうしたニュースを機に、将来の備えについて考えてみてもよいかもしれませんね。

がんの備えが気になるあなたには、がんを知って、がんに備える。「がん保険」に入る前の基礎知識の記事をお読み頂く事をおすすめします。

また、女性特有の疾病全般への備えをしたい方には、「12人に1人が乳がん」になる時代に、役立つ女性保険の知識まとめも合わせてお読み頂くとよいかと思います。

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