iDeCo(イデコ)ってなに? 個人型確定拠出年金制度がスタート

【監修: R&C株式会社 ファイナンシャルプランナー 菱村真比古】

年が明けて、iDeCo(イデコ)という言葉を
金融機関の広告で目にすることが多くなりました。

iDeCoは個人型確定拠出年金制度の愛称で、
制度そのものは会社員や自営業者を対象に平成14年からスタートし、
平成29年1月からは公務員や専業主婦も加入可能となっています。

税制の優遇があり、老後資金対策の有力な選択肢になりますが、
運用する金融商品には元本割れリスクもあります。

まだ利用していないなら早く始めたほうがよいのでしょうか?
また、もし加入するならどんなことに注意すればよいでしょうか?

【目次】
◆専業主婦でも利用できるようになった年金制度、iDeCo(イデコ)って何?
◆公的年金や個人年金保険、NISA(ニーサ)とどう違うの?
◆iDeCoを上手に利用するには? 掛金・金融商品・手数料のチェックポイント
◆「塩漬け」に注意。OECDが確定拠出年金制度に提言
◆まとめ

専業主婦でも利用できるようになった年金制度、
iDeCo(イデコ)って何? 

iDeCoは確定拠出年金法に基づいた、公的年金にプラスして老後に備える制度です。

確定拠出年金には、企業が掛金を負担する企業型と
個人が負担する個人型とがあり、iDeCoはこの個人型のことです。

利用できるのは60歳未満の、自営業者など国民年金の第一号保険者、
厚生年金の被保険者(第二号被保険者)である会社員や公務員、
それから第二号被保険者に扶養されている専業主婦(夫)といった
国民年金の第三号被保険者です。

掛金は月額5,000円以上を60歳まで積み立てます。
掛金の上限は、第一号被保険者は国民年金基金と合わせて月68,000円、
第三号被保険者は23,000円、
会社員などは企業年金の有無によって12,000~23,000円です。

年1回の変更や停止は可能ですが、積立金を途中で引き出すことはできません。
ただし一定の障害状態になったときや、亡くなったときの給付があります。

利用する金融商品は、金融機関が提示する金融商品から選びます。
定期預金など元本確保型だけでなく投資信託などリスクのある商品もあり、
加入者が自己責任で運用しなければなりません。

加入期間に応じて60歳以降に年金または一時金で受け取ります。
運用成績しだいで受取額が変わります。

加入の手続きは、国民年金基金連合会から委託された
運用管理機関である金融機関などに申し込んで、必要な書類を提出します。
転職や退職をしても継続できるしくみになっています。

 公的年金や個人年金保険、NISA(ニーサ)とどう違うの?

iDeCoは老後のための資産形成を目的に作られた制度で、
掛金は全額所得から控除されます

厚生労働省のパンフレットによれば、
毎月2万円ずつ掛金を拠出した場合、所得税率20%の場合、
年間4万8000円の節税効果があります。

ただし税率は所得によって変わります。
また運用期間中、運用益は非課税です。

受け取る年金や一時金は、公的年金等控除や退職所得控除の対象となり、
所得税や住民税が軽減されます。

税制で優遇がある貯蓄や年金制度にはほかに
個人年金保険やNISA(ニーサ/少額投資非課税制度)、
財形貯蓄のひとつである財形年金貯蓄があります。

それぞれの税制の扱いは次の通りです。

制度 掛金・積立金など 年金・一時金など
公的年金 全額所得控除 公的年金等控除の対象
iDeCo
(個人型確定拠出年金制度)
全額所得控除 公的年金等控除・退職所得控除の対象
個人年金保険(税制適格) 所得控除は4万円が上限 公的年金等控除・退職所得控除の対象
財形年金貯蓄 所得控除なし 公的年金等控除・退職所得控除の対象
NISA(少額投資非課税制度) 所得控除なし 配当金・譲渡益は非課税

 

iDeCoは、所得が高く税額が多い人には魅力ですが、
所得の少ない人にはメリットが感じられないかもしれません。

ただ将来受け取る公的年金や企業年金では足りないなら、何らかの対策は必要です。
個人年金保険や年金財形と比べると、iDeCoは税の負担が軽減される反面、
途中引き出しができず、使途が老後資金に限られます。

またNISAは、投資した資金の所得控除はありませんが、
投資対象が幅広く、機動的な運用が可能です。

なお自営業者にはほかに国民年金基金、小規模企業共済といった
任意で加入する年金・退職金制度があります。

 

iDeCoを上手に利用するには?
掛金・金融商品・手数料のチェックポイント

iDeCoは途中で引き出せないので、
税制の優遇があるからといって掛金の上限まで拠出し、
手元資金が足りなくなる事態は避けたいところです。

たとえば子どもがいる人は、教育にお金がかかる間は
掛金を抑えるといった調整も必要です。

iDeCoでは自己責任で金融商品を選んで運用をするので、
投資経験のない人には不安かもしれません。

金融機関が提示する金融商品の中には、
定期預金など元本が確保される商品もあります。
投資信託などで運用するつもりなら、
金融機関を選ぶときにはどんな商品があるか運用方針などを確認し、
品揃えもチェックしましょう。

また加入者は、iDeCoの実施者である国民年金基金連合会に加入時に2777円、
加入後は毎月103円を掛金から払わなくてはなりません。
運営管理機関である金融機関にも手数料を支払う必要があります。
手数料は金融機関によって異なるので比較検討しましょう。

「塩漬け」に注意。OECDが確定拠出年金制度に提言

iDeCoの魅力は、税制や運用しだいで年金が増える可能性があることです。
しかし反面、選んだ商品が値下がりするリスクを伴っています

もし価格が下がったら、そのまま継続すべきか、変更すべきか、
自分で判断を下さなければなりません。
運営管理機関は、情報提供は行いますが最終的に決めるのは加入者です。

OECD(世界開発機構)は加盟国の年金に関する調査報告書
「OECD年金アウトルック2016」をまとめました。

各国でもiDeCoと同様の積立式年金制度を導入しています。
報告書ではいくつかの政策提言を行っており、
商品や運用に関して次のように言及しています。

・商品がますます複雑化するため、
消費者が自らのニーズに合った商品を購入できるようにするには、
適切な助言と金融商品の開示が必要である。

・消費者が退職に関する適切な金融上の助言を受けられるようにする必要がある。

・退職後の財政計画のために金融教育に取り組む一方で、
年金に関する情報を明瞭かつ個人にとって大きな負担にならない形で提供すべきである。

(「積立式私的年金のあり方を改善すべき」抜粋 OECD東京センターHPより)


つまり、リスクのある多様な商品から選ぶ確定拠出年金制度では、
加入者が運用に関して適切なアドバイスが受けられ、
金融リテラシーの教育が受けられるようにしくみを
整えるべきだということです。

せっかくのiDeCoを、くれぐれも値下がりしたまま「塩漬け」にしないよう、
加入者自身も進んで情報を集め、金融を学びましょう。

まとめ

iDeCoはある程度時間をかけて積み立て、資産形成を図っていくものです。

漠然と将来に不安を抱えているのであれば、
現状で公的年金がいくらになるか、今後の家計収支はどうなるのか、
シミュレーションをしてみましょう。

「知る」ことで対策が立てられるからです。
その上で、iDeCoなどを利用して老後の準備に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

 

監修者プロフィール

R&C 菱村真比古

R&C株式会社 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)
中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

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Writerこの記事を書いたライター

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