マイナス金利が影響。相次ぐ保険の販売停止と保険料の値上げ

日銀のマイナス金利政策の実施以降、貯蓄性の高い保険の販売停止や保険料の値上げが相次いでいます。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
また現在契約している保険への影響や、これから新たに加入する保険選びはどのように考えたらよいのか、解説していきます。

【目次】
◆ 人気の「一時払い終身保険」の多くが販売停止へ。その理由は日銀のマイナス金利?
月払いの終身保険や個人年金、学資保険はどうなる?
保険でなぜ貯蓄ができるのか? 知っておきたい保険料の決まり方
駆け込み契約は避け、この機会に貯蓄と保険の見直しをしましょう
◆ まとめ

人気の「一時払い終身保険」の多くが販売停止へ。その理由は日銀のマイナス金利?

2016年2月に日本銀行がマイナス金利を導入しました。その直後から各社がまとまった資金の運用先として人気のあった一時払い終身保険など、貯蓄性の高い保険を販売停止や保険料を値上げする動きが出ています。これは今までの金融緩和政策とマイナス金利の実施によって、保険会社の運用環境がより厳しくなったためです。

生命保険は終身保険をはじめ契約期間は長期にわたります。保険契約は保険会社にとっては長期の負債ともいえます。そのため保険会社は将来の保険金の支払いに備え、長期で安定した運用をしなければなりません。「国債」は保険会社の主たる運用手段です。

ところがマイナス金利によって国債の利回りが低下したため、貯蓄性の高い保険をこれまでと同じ保険料で販売するのが難しくなったのです。ただ金融緩和政策自体はすでに20年ほど続いており、保険の予定利率は下がり続けてきました。

参考:「2015年版生命保険の動向」(一般社団法人生命保険協会)p24-25

月払いの終身保険や個人年金、学資保険はどうなる?

このまま厳しい運用環境が続けば、値上げは一時払いの保険に留まらず、月払いの終身保険や年金保険、学資保険などにも広がる可能性があります。しかし保険料の値上げといっても、これから契約する保険のことです。

すでに契約している保険は契約時に定められた保険料のままなので心配する必要はありません。
ただし、特約の付加や更新型の保険で特約を更新する際など、特約保険料はそのときの年齢と保険料率で計算されます。

今の時代、終身保険や個人年金、学資保険といった貯蓄型の保険は、家族の保障や老後資金、教育資金の預け先として欠かせない金融商品といえます。したがって値上げは消費者としては望ましくありませんが、保障機能や生命保険料控除など税の優遇制度といったメリットは十分保っています。

保険でなぜ貯蓄ができるのか? 知っておきたい保険料の決まり方

そうはいっても、保険の加入を検討しているときに保険料が上がると聞けば、どうしても気になるものです。そもそも保険料がどのように決まるのか、確認しておきましょう。

保険料は次の3つの予定率をもとに算出されます。

保険料を算出するもとになる3つの予定率

【予定死亡率】
統計から年齢別・性別の死亡者数・生存者数を予測して、将来支払いに必要な保険金額を算出します。その際に使う死亡率を予定死亡率といいます。

【予定利率】
将来の支払いに備えて積み立てている責任準備金を運用する際に、運用利回りをあらかじめ見込んで、その分、保険料を割り引きます。その割引率を予定利率といいます。

【予定事業費率】
あらかじめ見込んだ保険契約の維持・管理費や事業の運営費を予定事業費率といいます。

予定利率は、一般に運用利回りと呼ばれていることもありますが、払った保険料の運用利回りではありません。予定利率が下がると保険料は上がる、というしくみです。

また貯蓄型の保険は、生存していたときに満期金や年金が受け取れる保険と、死亡したときに保険金が受け取れる保険を組み合わせた商品です。貯蓄の部分は責任準備金(※)も大きくなり、そのため運用環境が悪化すると、値上げが検討されるようになります。

※責任準備金:将来の保険金や給付金の支払いに備えて、生命保険会社が保険料から積み立てている積立金

駆け込み契約は避け、この機会に貯蓄と保険の見直しをしましょう

保険料は安いに越したことはありませんが、保険内容をよく検討し、値上げ前に駆け込みで契約して後で後悔しないように気を付けましょう。貯蓄型の保険は一度契約して保険料を払うと、途中で解約したときに解約返戻金が払い込んだ保険料を下回ってしまうことがあるため、「やり直し」がしにくい金融商品です。

保険料の値上げはこれまで幾度も繰り返されてきました。貯蓄型保険の収益性も下がっています。支払う保険料の総額と受け取る満期保険金額などの差は小さくなってきている傾向があります。
また保険は生活設計を変更したり、家族構成が変わったりしたら見直す必要があります。

保険を検討している方もそうでない方も、この機会に貯蓄や保険を含め、家計全体を見直してみてはいかがでしょうか。貯蓄型の保険も、その保険の機能を知り、加入の目的に合っているか、万が一のときに本当に役に立ってくれるか、といったことをよく考えて選ぶことが大事です。

まとめ

マイナス金利が導入されてもなお、景気回復の出口がなかなか見えてきません。国債市場がこのままでは、安全で「オトク」な保険商品が登場することも期待できません。

このような状況下では、目先の損得に振り回されずに長い目で見て、自分が納得できる保険を選んで保険料を払うことがお金の賢い使い方といえます。そのために保険を比較したり、代理店で相談したりする手間をかけることは無駄ではないでしょう。

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