主婦も加入できるようになった!確定拠出年金(DC)のメリットと注意点

確定拠出年金(DC)は、厚生年金や国民年金にプラスして自分で老後に備える年金制度です。今までは掛金や年金に対する税制優遇がありますが、加入は会社員や自営業者などに限られていました。

今回の法改正で、ライフスタイルの多様化に対応して、平成29年1月から専業主婦や公務員も加入できるようになりました。制度の特徴をよく理解し、個人年金などほかの方法とも比較しながら賢く利用しましょう。

老後を豊かにする確定拠出年金(DC)って、どんな制度?

確定拠出年金(DC)は、安心して老後を迎えるために、公的年金に上乗せする私的年金制度のひとつです。そのもっとも大きな特徴は、運用する金融商品を契約した金融機関が提示する預貯金、公社債、投資信託、株式、信託、保険などから加入者自身で選べることです。

最初から給付額が確定する企業年金と異なり、自分自身の運用次第で将来受け取る年金額が変動します。受け取る金額が掛金総額を下回ることもありますが、大きく増やすことも可能です。

この年金には企業が掛金を負担して実施する「企業型DC」と、個人で加入する「個人型DC」の2つのタイプがあります。いずれも加入者数は毎年増え続け、2016年3月末で企業型DCでは548.2万人、個人型DCでは25.7万人となっています*。

個人型DCでは掛金の上限は年額27.6万円で、その全額が所得から控除され、運用益も非課税、受け取る年金は「公的年金等控除」の対象となります。一時金で受け取った場合も退職金と合算して「退職所得控除」が受けられるなどの税制優遇があります。

一方で受け取れるのは原則60歳で、途中で脱退するには制限が設けられています。

*確定拠出型年金加入者数(厚生労働省HP)

専業主婦でも加入できる? 確定拠出年金(DC)に個人で加入するメリット

これまで個人型DCには企業年金のない企業に勤める会社員か自営業者など国民年金の第1号被保険者しか入ることができませんでした。今回の改正では、ライフスタイルの多様化に対応するため加入対象が広げられ、転職したときの使い勝手も改善もされています。

新たに加入できるようになったのは、専業主婦など国民年金の第3号被保険者と公務員です。また会社員も、勤務先に企業型DC以外の企業年金のある場合や企業型DCの規約で一定の定めがあれば個人型DCに加入ができます。

掛金、運用益、年金の3つで税制優遇が受けられるのが大きなメリットです。例えば年27.6万円の掛金を払っていれば、全額を所得から差し引くことができ、所得税率が20%なら最大5.52万円が年末調整で戻ってきます。また運用で年金額を増せる可能性があります。

しかし制度上は加入が可能でも、収入のない専業主婦や課税される所得が少ない人では実際には節税効果は限られます。

加入したら毎月かかる手数料。引出制限にも注意!

個人型(DC)に加入するには、まず運用と記録に関する業務を行う運営管理機関(金融機関)*を選びます。
その金融機関に申込み書類を提出すると、国民年金基金連合会が加入資格の審査等を行い、口座登録がされて、選んだ金融商品で運用が始まります。

その際、加入者は掛金から国民基金連合会と運営管理機関である金融機関に手数料を支払わなくてはなりません。したがって節税効果は手数料を差し引いて考える必要があります。

国民基金連合会には、事務手数料として初回の掛金から2,777円、毎月103円*(2016年8月現在)が必要です。運用管理機関への手数料は金融機関ごとに異なるため、よく比較してみましょう。

また、運用で損失を出したときも節税効果が減少してしまいます。これまで金融機関は元本確保型の金融商品を含めて提示するのが義務となっており、定期預金なども選択できました。
しかし改正後は、その義務が撤廃されます。そのため金融機関を選ぶ際は、提示されている金融商品のラインナップを必ず確認してください。

積立運用した年金を受け取るのは60歳からになり、途中で簡単に換金や脱退ができません。したがって、60歳までの家計収支の見通しを立て、無理なく続けられる金額で始めましょう。

*運営管理機関一覧(国民年金基金連合会HP)
*国民年金基金連合会の手数料

個人年金と確定拠出年金、どっちがいい? 比べて上手に活用

個人型DCのほかにも、年金財形貯蓄や個人年金保険など国が老後準備の自助努力を促すために、税制優遇措置を設けている制度があります。

年金財形貯蓄の主な特徴

・勤務先が財形制度を導入している場合で、利用は任意。
・預貯金では住宅財形と合わせて元本550万円までの利息などが非課税。
保険
型の商品の場合は払込金385万円までの差益が非課税。
・55歳未満の人で積立は5年以上、受け取りは60歳以降に5年以上20年以内。
・年金以外での払い出すと非課税措置はなくなる。

個人年金保険の主な特徴

・勤務先の制度に関わらず利用可能。
・1年間に支払った保険料のうち最大4万円が所得から控除。
・対象になるのは年金受取人が本人か配偶者で、保険料払い込み期間が10年以上で、
 かつ年金支払開始日における被保険者の年齢は60歳以上、そして年金受け取り期間が
10年以上であること。
・必要なときは掛金の減額や解約が可能*。

いずれも私的年金ですが、それぞれの特徴を知り、自分のライフステージに合わせて使い分けましょう。

たとえば年金財形や個人年金は、これから自動車や住宅の購入、子どもの教育で資金が必要になる若い世代が、老後に向けて少しずつ準備するのに向いています。

それに対し、40代50代は、教育費の目途が立ってほっとできる時期ですが、子どもが扶養から外れると税金が増えてしまいます。そのため節税効果が高い個人型DCは、この世代の自分年金づくりに適しています。

*財形年金貯蓄制度
*生命保険料等控除(国税庁タックスアンサー)

税制優遇措置のある制度利用 まとめ

公的年金だけでは不安という人にとって、国が税制優遇措置で後押しする制度が増えるのは喜ばしいことです。個人年金保険、年金財形、確定拠出年金、少額投資非課税制度(NISA)などの税制優遇制度を知り、賢く老後資金を準備しましょう。

また確定拠出年金(DC)は、運用に自信がないからと、尻込みする人も少なくありません。しかし今回の改正では中小企業が企業型DCを設立しやすくする仕組みも盛り込まれており、勤務先で企業型DCに加入する人は今後も増えるでしょう。
これからは金融や経済について、少しずつ学ぶことも必要です。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

LAIFの人気記事をお届けします。

Writerこの記事を書いたライター

LAIFadmin

あわせて読みたいこちらもあなたにおすすめです

主婦も加入できるようになった!確定拠出年金(DC)のメリットと注意点 ページTOPへ戻る