住まいの保険は必要? 引っ越したら確認するべき住まいの保険のポイント4つ

【監修: R&C株式会社 ファイナンシャルプランナー 菱村真比古】

進学や転勤、就職など、生活が大きく変化する春は、
引っ越しのシーズンでもあります。
新しい家に引っ越す際、同時に火災保険や地震保険などに
加入する場合もあるでしょう。

これらの保険では、具体的にどのような補償が受けられるのでしょうか。
賃貸の方も持ち家の方も、改めて住まいの保険について考えてみましょう。
世帯別や状況別でのおすすめの保険についてもご紹介いたします。

【目次】
◆ もらい火は怖い。持家なら入っておきたい火災保険
◆ 水漏れ、盗難までカバーする住宅総合保険
◆ 地震や自然災害からマイホームを守るには
◆ 賃貸でも入っておきたい家財保険
◆ 住まいの保険は「イザ」という時のためのセーフティネット

 

もらい火は怖い。持家なら入っておきたい火災保険

2015年の総出火件数は39,111件、そのうちの住宅火災は12.097件です。
出火の原因は放火と放火の疑いが16.6%を占め、トップとなっています。
(2016年8月19日消防庁「平成27年(1月~12月)における火災の状況(確定値)」による)

自分自身が十分気を付けていても、火災被害に見舞われることは十分あり得るのです。
万が一のときのために、火災保険について知っておきましょう。

住宅火災保険の補償内容

住宅火災保険は、一般的な火事のほか、落雷や爆発などによる
住宅の損傷についても補償を行っています。

建物と家財は別々に契約します。
また特約として水害などについても補償される場合がありますが、
この項では多くの火災保険にセットされている
「火災」「落雷」「破裂、爆発」についてご説明します。

  • 火災

火災保険は、場所や時間に偶然性があり、消火活動を行わなければ被害が拡大するような、自発的に火が燃え広がる規模の災害に対して適用となる保険です。そのため、煙草によるカーテンのコゲといった、小さな損害は保険の対象になりません。一般的に、消防車を呼ぶような「火事」が起こった場合は火災保険の対象だと考えてよいでしょう。

  • 落雷

落雷による火災はもちろん、電気関係にトラブルが起こった場合などにも適用されます。ただし建物だけに保険をかけていた場合は、落雷によるパソコン機器の故障といった家財の損害の補償を受けることはできません(※家財への保険がかかっている場合は補償対象)。

  • 破裂・爆発

ガス爆発などがこれにあたります。ガスを利用している家庭の場合は、ガス漏れに気付かずにコンロに火をつけてしまったり、ライターを利用したりすることで爆発が起こる可能性があります。このような爆発による損害や火災が補償の対象となります。

もらい火はどこまで補償してもらえる?

火災は、自分の家からの失火が原因とは限りません。
隣家の家事が燃え広がった場合や、消火のための放水で
自宅に損害が及ぶこともあります。

一般的には、他者から損害を被った場合、
加害者に損害賠償を請求することができます。
ところが、もらい火については、これが適用にならないことがあります。

自分で火災保険に加入することが大切

火災は、空気の乾燥や風によって大きく燃え広がり、
被害が拡大することもあります。
しかし隣近所に火災が広がった場合でも、
建て替え費用のすべてを失火元が負担するとなると、
莫大な金額にのぼってしまい、現実的ではありません。

こうした無理な賠償責任を負うことがないように、
「失火責任法」という法律があります。
通常、故意や過失によって他人に損害を与えた場合は、
損害賠償をする責任がありますが、失火の場合は、
「重過失がない限りこの責任を負わない」と定められているのです。

つまり、隣近所の家からの延焼で自宅が燃えてしまった場合や、
消火のための放水によって家財が被害を被った場合でも、
相手に重大な過失がなければ損害賠償を請求することはできないということです。

自分自身が原因とならない火災被害は、
どれだけ注意をしていても防ぐことができません。
こうした被害に備えるためにも、自分で火災保険に加入しておく必要があります。

 

水漏れ、盗難までカバーする住宅総合保険

住宅総合保険では、火災保険でカバーしきれない
さまざまな住宅トラブルに対して補償を受けることができます。
火災保険の特約として用意されている場合もあるため、
必要な補償が加入している保険の補償対象に含まれているかどうか、
改めてチェックしてみましょう。

  • 飛来・落下・衝突

自動車が家に突っ込んだ場合や、飛んできたものによって屋根瓦が破壊されたといった場合に補償が受けられます。ただし、台風などの風災によって物が飛来した場合は該当外となります。 

  • 騒じょう

騒じょうとは、集団による騒ぎなどを指す言葉です。集団で暴れる者などによって窓ガラスが割られたり、住宅に落書きをされたりした場合に備えます。

  • 水濡れ

給水管の不具合などによる水漏れや、集合住宅で上の階の方がお風呂の水を止め忘れたといった原因で、天井や床に問題が起こった場合の補償です。

  • 盗難

空き巣などによる盗難被害への補償です。窃盗犯侵入時のガラスやドアの破損といった住宅への保険と合わせて、盗まれた金品に対してかける家財への保険も重要です。

 

地震や自然災害からマイホームを守るには

火災保険には、地震や台風といった自然災害に対する
特約を付けることもできます。
(※地震以外の自然災害に対する補償は、契約によっては基本補償に含まれる場合もあります)
 

  • 風災・ひょう災・雪災

風、ひょう、雪による住宅の破損に対する保険です。台風による住宅被害や、豪雪による屋根の破損などが該当します。 

  • 水災

洪水や土砂崩れで床上浸水が起こった場合などの被害を補償します。住宅への浸水は、家財や住宅の基礎に大きな問題を及ぼすため、水災の多い地域では必須です。

  • 地震保険

地震による住宅や家財への被害を補償するものです。火災保険のみでは、地震が原因となった火災は対象外となるため、地震での火災をカバーしたい場合は地震保険に加入する必要があります。

 

賃貸でも入っておきたい家財保険

賃貸住宅の場合、入居者の過失によるもの以外の住居トラブルに関しては、
大家や管理会社が金銭を負担して修繕するのが一般的です。
しかし、たとえ賃貸住宅であっても、盗難による被害や、地震で
食器などが壊れた場合に大家から補償を受けることはできません。

このような家財への保険は自分自身でかける必要があります。

家財保険とは

家財保険とは、住宅ではなく、住宅の中の家財に対する
補償を行う保険のことです。
いくら火災や落雷、水害などの保険に加入していても、
家財に対する保険をかけていなければ、
家財の損害に対する補償を受けることはできません。

家財保険は、火災保険や住宅総合保険とセットで加入するものもあれば、
家財のみに保険をかけるものがあります。
賃貸住宅に住んでいる場合でも、家財への保険はかけておくと安心です。

家財保険の補償内容

家財保険は、パソコンやテレビ、貴金属類、現金などに対して
保険をかけるものです。
家財保険をかけた金額を上限として、
実際に損害を受けた家財に対して保険金が支払われます。

ただし家財保険には、1個で30万円を超える高級な貴金属類や宝石、
美術品などについて、加入時に明記しなければ
補償に含まないという決まりがあります。

これらを「明記物件」と呼びます。
対象物が30万円を超える価値のあるものかどうかは、
領収書や鑑定書などから個別に判断されます。
これらの貴重品を所持していて、家財保険の対象としたい場合は注意しましょう。

なお、明記物件について、地震時の被害に対して補償をかけることと、
100万円を超える補償をかけることはできません。

 

住まいの保険は「イザ」という時のためのセーフティネット

住宅の火災や地震による倒壊、または、台風や豪雪による被害というのは、
すべての人に頻繁に起こるトラブルではないでしょう。
しかし実際にこうした災害が起こってしまった場合、
非常に大きな金銭的、精神的負担に見舞われることとなります。

住まいや家財にあらかじめ保険をかけておくことで、
不測の事態が起こったときの将来への不安を軽減させることができます。

「起こるかもしれない重大なトラブル」に事前に備えておくことで、
災害や人災による損害リスクを軽減させ、安心して暮らすことができるのです。

監修者プロフィール

R&C 菱村真比古

R&C株式会社 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)
中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

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Writerこの記事を書いたライター

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