空き巣被害に遭ったらどうしたらいいの?盗難を未然に防ぐ方法

【監修: R&C株式会社 ファイナンシャルプランナー 菱村真比古】

留守宅を襲う「空き巣被害」。
金品が盗まれるだけでなく、室内を荒らされることもあります。
年末年始、帰省や海外旅行で長期間家を留守にする時期は特に注意が必要。
被害に遭わないための実践的な防犯対策、万が一遭ってしまったときのリスク回避についてご紹介します。

【目次】
◆ 近年の空き巣被害の傾向は?
◆ 泥棒はこんな家を狙っている
◆ 「マンションの上階だから安心」と思うのは大間違い
◆ 空き巣に入りたくないと思わせる対策は
◆ 防犯対策とともに考えておきたい、盗難に備える保険

 

近年の空き巣被害の傾向は?

住宅を狙った侵入窃盗は平成27年の1年間で50,995件発生(警察庁調べ)。
全国的に減少傾向にありますが、それでも1日に約140件もの住宅が泥棒の被害に遭っている計算になります。

侵入窃盗は、空き巣=留守宅に侵入、忍び込み=就寝時に侵入、居空き=日中在宅時に侵入の3タイプがあり、住宅への侵入窃盗のうち6割以上を占めるのが「空き巣」です。

侵入窃盗に遭った住宅で、最も多いのが一戸建て住宅で約70%、次いで3階建以下の共同住宅約22%、4階建以上の共同住宅が約8%となっていますが、どのような住宅形態でも、留守宅は泥棒の恰好のターゲットといえます。

参照:「平成26,27年犯罪情勢」警察庁(平成28年7月) https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/h26-27hanzaizyousei.pdf

 

泥棒はこんな家を狙っている

泥棒は入念に下見をして、狙う家を見極めます。
最速で盗んで逃げるために、侵入に手間取りそうな家は敬遠する傾向があります。

狙われやすい家の特徴

泥棒が好きなのは「入りやすく、外から見えにくい家」。こんな点をチェックしています。

● 庭木、塀、物置など死角になるものがある(ガラス破りやドア錠破りの現場を目撃されないため)。
● 足場になるものがある(高い位置の窓や2階に上るため)。
● 扉や窓に簡単に割れる単板ガラスや網入りガラスがはめ込まれている。
● 錠前が1個だけで補助錠を付けていない。簡単に開錠できる錠を付けている。
● 屋外に照明・防犯灯がない。
● 鍵を屋外の鉢植えの下や郵便受けなどに置いている。
● 無施錠のドアや窓がある。
● 通行人が少ない。

泥棒はどこから侵入する?

「まさか、ここからは入らないだろう」というのは甘い考え。
隙をついて泥棒は侵入します。

● 1階の窓や玄関まわりのガラスを壊し、手を入れて鍵を開ける。
● トイレや浴室など高い位置にある窓も足場を使って侵入。
● 2階でも雨どいや配管を伝ったり、樹木やガレージを足場にしたりして侵入。
● 無施錠の勝手口から侵入。

侵入したら物色する時間はものの5分。早業で盗み、逃走してしまいます。

 

マンションの上階だから安心」と思うのは大間違い

都内のマンションに住む若い女性の一室に深夜、男が侵入した事件がありました。
ベランダからの侵入と言いますが、女性の部屋はなんと7階!

マンションへの侵入窃盗で多いのは、一戸建てと同様に「玄関ドアや窓からの侵入」ですが、実はベランダから侵入も少なくありません。
非常階段で屋上に上がり、ロープを伝ってベランダに降りる「下がり蜘蛛」というスパイダーマンさながらの離れ業で、高層階といえども、やすやすと侵入してしまいます。

さらに、壁の排水パイプを伝ってベランダへ侵入、ベランダ床の非常用ハッチを開けて下の階に侵入、隣の部屋からベランダの隔壁を乗り越えて侵入といった手口も珍しくありません。

1、2階は入りやすさから、泥棒に狙われやすいのですが、高層階は価格が高い分、高所得者が多いと思われて狙われる傾向があります。

また「オートロックだから安全」というのは過去の話。
住人がドアを開けた隙に簡単に侵入できます。
住人同士の交流が少ないマンションでは、見慣れない人がいても住人か不審者か区別がつかず、みすみす犯罪を野放しにする危険があります。
マンションも一戸建てと同様に防犯対策を考えるべきです。

 

空き巣に入りたくないと思わせる対策は

侵入に5分以上かかると泥棒の7割はあきらめ、10分以上かかるとほとんどが断念するとか。
つまり「侵入に時間がかかる家」にすることが最大の抑止力となります。
窓・玄関・勝手口の防犯対策は最優先に。

基本はきちんと戸締り

一戸建て住宅でも共同住宅でも、最も多い手口が、被害者の不注意による「無締り」(鍵のかけ忘れ)です。

● 出かけるときは、すべての鍵をかけることを習慣化してください。オートロックや高層階のマンションで安心して「窓や玄関の鍵をかけない」という人も少なくないようですが、油断禁物です。

● 一戸建ての場合、2階の窓などは日頃から無施錠の方もいますが、ここからも泥棒は入ります。鍵をかけ、「補助錠」をつけてツーロックにしておくと安全です。

窓のガラス破り対策は必須

侵入手口で2番目に多いのが「ガラス破り」
窓ガラスを割った穴から手を入れて鍵を開けます。

● ガラスは割られにくいように「防犯フィルム」を貼ります。さらに防犯性を高めるなら、破壊に強い構造の「防犯ガラス」に交換するのも方法です。
● ガラス破壊の際の振動に反応して警報が鳴る「振動センサー」も泥棒に犯行をあきらめさせる効果があります。
● 窓の鍵が三日月形の簡易なクレセント錠の場合、防犯性能が劣るので補助錠を追加します。

 

玄関ドアはツーロック+防犯グッズ

「ガラス破り」の次に多い手口が、主に玄関ドアの「ドア錠破り」「サムターン回し」「ピッキング」です。

● ドア錠破り対策には、ドア錠を覆う「ガードプレート」を設置して、ドアと壁の隙間を埋めます。
● サムターン回し対策としては、「サムターン防止カバー」を付けましょう。

玄関ドアの鍵がピッキングに弱い旧式のシリンダー錠の場合は、防犯性に優れたディンプルシリンダー錠などに交換するか、補助錠を増設してください。

● 採光窓のガラスに「防犯フィルム」を貼ります。
● 玄関の外の目につく位置に「防犯カメラ」(ダミーでもOK)を設置すると、泥棒に「入りにくさ」をアピールできます。
● 歩くと石と石が擦れ合って大きな音がする防犯砂利を引く。音を立てることを嫌う侵入者を防ぎます。

注:ドア錠破り=バールをドアと壁の隙間に差し込み、強引にドアをこじ開ける。
     サムターン回し=ドアにドリルなどで穴を開け、金属の棒でドア内側のつまみ(サムターン)を回転させて解錠する。
      ピッキング=針金のような専用工具をシリンダー部分に差し込んで解錠する

 

貴重品の隠し場所

どこの家でも現金・通帳・貴金属などを隠す場所は似ていて、泥棒はそれを心得ています。
その場所とは、タンスや机の引き出し、仏壇の中、鏡台、押入れ、冷蔵庫。
もし、ここに入れているなら即刻移動を。
本箱の本の間、引き出しの裏側、ゴミ箱の中が探しにくいといいますが、オリジナルの隠し場所を複数用意して分散して隠すといいでしょう。

鍵の管理にも気をつけて

最近急増した手口が、合鍵を使っての侵入。
鍵は簡単に複製が作れるので、鉢植えの下、郵便受け、メーターボックスなどに「置き鍵」をするのはもってのほか。
公共の場所で鍵を出しっぱなしにしない、安易に人に鍵を貸さないなど、日ごろから徹底した管理を。

留守宅の防犯対策

旅行や帰省で家を空ける場合は、留守を悟られない工夫を。
帰宅して「家が荒らされていた!」とならないように、上記の対策を基本にさらなる対策を講じます。

● 新聞・郵便物の配達を止める 郵便受けに新聞や手紙がたまっていると、留守が一目瞭然。新聞は販売所に、郵便物は郵便局に事前に連絡して配達を止めてもらいます。

● 夜間の照明で在宅と見せかける 「プログラムタイマー」などで夜間に自動で明かりが点くようにして、在宅を装います。

● 留守番電話のメッセージに工夫 泥棒は電話で不在を確認することがあります。留守番電話のメッセージは「ただいま留守にしております」は禁句。在宅を思わせるメッセージにして。

● 出かけるときは洗濯物を外に干さない 日が沈んでも洗濯物が出したままだと、不在を知らせていることと同じです。外出する際は、洗濯物は室内に干すようにしましょう。

● 駐車場に自転車を置く 車で外出する場合は、駐車スペースに車がないことで不在であることがわかってしまいます。自転車を置くなどして在宅を装う工夫を。

 

防犯対策とともに考えておきたい、盗難に備える保険

泥棒が盗むのは現金や貴金属ばかりでなく、通帳、各種カード、パソコンや家電、自転車など、あらゆるものを盗みます。
さらにドアやガラス窓を破壊し、中には室内を必要以上に荒らす凶悪なケースもあります。

そうした被害に備えられるのが、損害保険の一種である「火災保険」の盗難補償です。
火災保険が盗難被害を補償することを把握していない方が多いようですが、ぜひ、お持ちの火災保険を確認してみてください。

火災保険は建物と家財別々にかけるもので、オプションとしてそれぞれに盗難補償が付けられます。
建物の盗難補償では、壊されたドア・鍵・窓ガラス、土足で汚された床や壁などの修理費用が補償されます。

家財の盗難補償では、盗難被害にあった損害額が補償されます。
対象の範囲や補償額に限度がありますが、現金、預貯金証書、衣類、家具、電化製品などをはじめ、敷地内に置いた自転車や原付(125cc以下)も対象となります。

 

泥棒に入られると、その後も恐怖や不安感が続くといいます。
また泥棒は一度、侵入した家は把握をしているので、再度訪れるとも。
そうならないためにも、まずはしっかりと防犯対策をすること。それによって被害に遭う確率は低くなります。
それでも巧妙な泥棒に入られたときは、リスク回避として保険が有効な手立てになります。

 

監修者プロフィール

R&C 菱村真比古

R&C株式会社 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)
中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

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Writerこの記事を書いたライター

LAIFadmin

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