地震後の二次災害=倒壊した家屋の「盗難・空き巣」どう対策する?

東日本大震災、熊本地震など大災害のたびに、被災地での盗難や空き巣のニュースが流れます。こうした二次被害をどう防ぎ、どう対処すべきか? 保険、自己防衛と角度を変えて対策を考えてみました。

地震保険は「盗難」や「空き巣」被害も補償してくれるの?

心身ともに疲弊している被災者に追い打ちをかける、いわゆる火事場泥棒。その存在は許しがたいものですが、大災害の後には、倒壊した家屋や、避難して不在の家を狙った盗難が多発しているのが現状です。

地震が原因で空き巣に入られたのだから、「地震保険」で補償されるのでは?と考える方が多いと思います。でも残念ながら、ほとんどの地震保険は、災害時の盗難被害が支払い対象外となっています。

地震保険の保障範囲は?

地震保険は、地震や水害などの自然災害による損害を補償する保険で、火災保険とともに加入する形がほとんどです。「災害で家が倒壊した」「テレビが落ちて壊れた」などの居住建物や生活家財は補償されますが、盗難には適応されません。

なぜ盗難は補償されないの?

自然災害が起こり、混乱した状況での盗難被害は、事実関係を立証するのが難しいというのが、ひとつの理由。

そして地震保険自体が、「生きるための保険」であるということも理由です。大規模な地震が起こると、家や家財が壊れるだけでなく、さまざまなリスクに見舞われます。今までつつがなく過ごせた生活が一瞬のうちに消滅することもあり得ます。

盗難は決して許せませんが、過酷な状況のなかで「生活を立て直すために必要な一時金を給付する」=それが地震保険の基本スタンスなのです。

盗難被害に未然に防ぐための 自己防衛策

窓やドアが壊れた家、鍵をかけずに避難した住民不在の家・・・被災地は、泥棒が入りやすい絶好の条件が備わっています。ホームセキュリティをつけていても停電、インフラの崩壊などで機能しないことも想定されます。となると自己防衛策も考えたいところです。

自分でできる防犯対策を確認

平常時の盗難の原因で最も多いのが、鍵のかけ忘れ。それは災害時も同じで、盗難対策は戸締りが基本です。ただ、緊急時は身の安全が最優先。戸締りが気になって、避難途中に家に引き返すようなことは、決してしないでください。

避難するときは、ドアや窓の戸締りをしっかりと。平常から鍵を二重ロックにしておくなど防犯対策を心がけることも大事です。

貴重品(現金、通帳と印鑑、免許証や保険証、パスポート、貴金属など)はできるだけ持って避難する。時間に猶予がないことが予想されるので、非常持ち出し袋にすぐ入れられるよう、ポーチなどにまとめ、出しやすい場所に保管しておきます。

避難所では貴重品を人目につくところに置かない。避難所での盗難も頻発するので、できればウエストポーチなどに入れて身につけておくと安全です。

個人情報や大切な思い出の品はデジタル化しておく

大切なのは、貴重品だけではありません。まず個人情報。そして盗まれる心配はないと思いますが、家族写真などはプライスレスな価値があります。これらはデジタル化しておくことで、日常的な携帯が可能になります。

例えば、キャッシュカードやクレジットカードが盗難に遭ったとしても、素早く対応できますし、何も持ち出せないまま避難して帰宅不能という場合でも、情報のデジタル化は有効なリスク回避になります。

スキャンや写真を撮って、デジタル化しておきたいもの

通帳口座番号、クレジットカード番号、基礎年金番号、マイナンバー個人番号、免許証、保険証、パスポート、権利書、契約書など。データはSDカードやUSBメモリに保存を。

思い出の品(アルバム、子供の絵、卒業証書、位牌など)は写真に撮り、家族写真などと共に、クラウドサービスを利用して保管しておくと安心です。

盗難のリスクを少しでも軽減するには 改めて地震保険について

地震保険では保険対象の建物・家財に対し、火災保険の保障額の最大50%までが補償されます。 建物と家財はそれぞれ別に評価を行い、全損=100%・半損=50%・一部損=5%といった被害認定レベルに応じて地震保険金が給付されます。

例えば、建物3000万円、家財1000万円の契約で、地震保険で補償されるのは最高で建物1500万円、家財500万円。被害が建物・家財ともに半損と認定されたとすると、さらにその50%なので建物750万円、家財250万円が保険金となります。

意外に保障額が少ないと感じた方も多いでしょう。ただ保険金の使い道は自由です。もし盗難も含め、さまざまな被害への損失補てんを充実させたいという考えでしたら、「複数社の火災保険+地震保険に入る」、あるいは「保障額を高く設定して加入する」という方法もあります。

しかし地震保険の保険金総額は建物5000万円・家財1000万円までという上限があり、これ以上は支払われません。また、保険料が相当な高額になることは否めません。

地震保険では不足する生活再建費用を何とか補いたいという消費者の要望に応えて、最近登場したのが「地震保障保険。地震・噴火を原因としての被害を補償する保険です。

地震保険は火災保険とのセット加入が義務付けられていますが、「地震保障保険」は地震保険との併用だけでなく、単独で加入できるのが特徴。保険料も安く設定されています。

ただし半壊以上の被害でなければ保障されないなど独自の規定があります。加入の際には、支払い条件をよく読んで検討してださい。

*地震保険の概要については、「明日かもしれない!「大地震」への備えはできていますか?今日からできる防災・危機管理4つのポイント」をご覧ください。

地震保険は2017年に改定。多くの地域で値上がり必須

それでなくても高いと言われる地震保険料ですが、2017年の改定で値上げが決まっています。保険料の改定は2017年から2021年にかけて2年ごとに段階的に行われ、最終的に引上げ幅は全国平均19%に。

地域ごとに差があり、地震リスクの高い福島、茨城、埼玉、徳島、高知の5県は50%の値上げとなる予定です。

被害認定レベルも現在の「全損・半損・一部損」から、「全損=100%・大半損=60%・小半損=30%・一部損=5%」の4段階になります。

すでに地震保険に加入している場合は保険の値上がりはありませんが、未加入でリスクの高い地域にお住いの方は特に早めの検討を。現行の地震保険の最長は5年ですから、2016年のうちに入れば、その時点の保険料で5年間同じ補償内容が継続できます。

盗難は対象外、しかも保険料は高くなる、となると、地震保険への加入自体を躊躇する考えてしまう方もいるかもしれません。しかし、あくまで盗難は二次被害。最初に述べた地震保険の本来の姿勢を理解したうえで、条件や保険料もよく吟味して、必要性を判断してください。

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