「火災保険」選びで失敗しないために知っておきたい5つの基礎知識

商社に勤める青山美穂さん(36歳)は育児や家事、そして仕事に奮闘する兼業主婦。
近い将来にマンションを購入する予定があり、住まいに関する保険に興味があります。

「住まいの保険には何があるの?」「選び方のポイントは?」など知りたいことは山ほどあり、一方で地震や火事、水漏れや近隣トラブルなどの不安も浮かびます。疑問や不安を解消すべく R&Cの損害保険エキスパート浦田さんへ相談に行きました。

前回の相談、自転車保険はこちら。
【ファミリー必見】自転車保険をはじめ、暮らしのなかで子どもや家族を守る損害保険

1.住まいのリスク「火災」「台風」「地震」に備える火災保険とは

青山さん:近いうちにマンションを購入したいと主人と話しています。住まいの保険ってやっぱり必要なのでしょうか?

浦田さん:マンションの購入、とても楽しみですね。そして、やはり万が一のために備えておいた方がいいですね。住まいに関する補償には大きく分けて、①火災 ②水災・風災 ③地震の3つがあります。これらは損害保険に含まれており、火災保険の加入時に、火災だけではなく水災・風災(台風)の補償や地震保険を付加するかを選択することになります。

青山さん:火災だけではなく風災や地震についても備えることができるのですね。東日本大震災や熊本・大分地震などもあって地震に対する不安もありますし、火事や台風、マンションなので火事や水漏れなど隣の方と何かあったときも心配です。

浦田さん:そう考えると火災保険は暮らしを守るために最適な保険といえます。
まずは、その火災保険で補償するものをご説明しますね。補償する対象は大きく2つに分かれていて、戸建てやマンション、ビルなどの「建物」と建物の中にある家具など建物から動かせる動産)「家財」)が対象になっています。

火災保険ではこの対象ごとに加入する仕組みになっています。もし建物だけに保険をかけて火災に遭った場合、給付金を受け取れるのは建物の被害の分だけで、動産の家財などの補償は受け取ることができません。その点に注意しながら、建物と家財どちらかに加入するか、両方に加入するかを決める必要があります。

実際の火災では「失火責任法」という法律があり、他所から燃え移った火災は他人からの賠償を受けることが出来ないことが前提です。ご自身が気をつけていても相手からの賠償が出来ないので、建物・家財両方のご加入をおすすめします。

【ポイント】
■ 住まいに関する代表的な保険で補償するリスクは「火災」「台風」「地震」
■ 火災保険加入時に、風災等の補償や地震保険付加を選択する
■ 「建物」と「家財」の補償対象ごとに加入する

2.火災保険で、風災、水災、水漏れ、盗難などもカバーできる

青山さん:火災保険で風災や地震で何か起きたときにカバーできるとのことですが、それ以外にも補償できるものはあるのでしょうか。

浦田さん: 大きな3つのリスクとして火災、台風、地震をあげましたが、そのほかにも普段の生活で起こり得る可能性があるリスクにも対応しています。では火災保険で補償されるリスクとはどんなものがあるのかを確認してみましょう。

1 火災や落雷、破裂・爆発
2 風災や雹(ひょう)災・雪災
3 水災
4 給排水設備に生じた事故による水漏れなど
5 落下など偶然な事故による破損など
6 類焼損害
7 盗難     など

このように火災保険は、火災や風災のほか、水災や日常で起こり得る被害などにも幅広く対応ができるように補償範囲が設定されており、それぞれの損害原因に対し、必要な補償を選択したり、外したりすることができます。

保険会社によって付保できる補償がいくつかのパターンになっていることが一般的です。

【ポイント】
■ 補償範囲は「火災」「風災」「水災」「日常災害」「破損」など
■ 火災保険は必要な補償を自分のニーズに合わせて選択ができる

3.他人への補償は「類焼損害補償特約」や「個人賠償責任特約」でカバーする

青山さん:火災保険の特徴がわかってきました。今、お聞きした補償は自宅が対象ですよね。火事や水漏れなどで隣の人に迷惑をかけてしまった場合はどうなりますか?

浦田さん:大切なことに気が付かれましたね。火災保険ではメインの補償に付加できるさまざまな特約があります。他人への補償が必要な例を見ていきましょう。

自身が火事で他人へ損害を与えた場合は、失火責任法により賠償請求が発生しません。火災保険に類焼損害補償特約(自分の家が火元で、周りの家に与えた損害を補償する)を付加していないと、大切なご近所様へ迷惑を掛けたまま、何もできないといった状況になります。

もし損害を与えられた方が保険にご加入の場合は、そちらを先に使っていただくことになります。

ほかには火災に限らず、他人のものを壊したときやケガをさせたときを補償する個人賠償責任特約もあります。

また自身が損害を受けたときは、賠償請求をすることになります。水漏れを例にあげると、マンションなどの集合住宅で隣や上下の住人から水漏れの被害を受けた場合に、自身の火災保険で水漏れの補償があればまずはそれでまかない、後から相手方に保険会社から求償することができます。

【ポイント】
■ 他人への与えた損害の補償は特約の付加でまかなう
■ 被害を受けることに備え、自身の保険を万全に

4.住まいの特徴を把握し、補償対象(範囲)を選ぶ

青山さん:もし自身が被害を受けた時には、こちらの保険でなおしてから請求することもできるのですね。では火災保険選びで気をつけることはありますか?

浦田さん:青山さんのように新しく住宅を購入する場合は、火災保険にも新規で加入することになりますね。保険選びのポイントをいくつかあげてみましょう。

○ 住まいの特徴を把握する
○ 補償対象(建物・家財)、補償範囲(損害原因)を選ぶ
○ 契約期間や保険料の支払い方を検討する

まずは対象となる住宅の特徴や環境を把握します。建物の構造をチェックし高層マンションであれば何階なのか、地域や周辺を取り巻く環境やリスクなどですね。

補償を選択するときは「何を原因とする損害から、何を補償したいのか」を明確にします。例えば、降雨量の多い地域であれば水災や土砂災害の補償が必要になり、水漏れなどの被害も想定されます。その時に守りたいものは建物だけなのか、家財道具なども含まれるのか、事前によく検討することが重要です。

また保険契約の期間は1年から最長10年まで選択が可能となり、2年以上の長期契約で一括払いを選ぶと保険料が割安になるメリットがあることも覚えておきましょう。

【ポイント】
■ 住宅の特徴を把握したうえで「どんな損害から、何を補償したいのか」を明確にする
■ 保険料は長期契約での一括払いが割安になる

5.地震の損害をカバーする「地震保険」は火災保険の特約付加で加入

青山さん:ありがとうございます。地震については火災保険の補償にはないようでしたが、別に地震に特化した保険があるのですか?

浦田さん:地震保険のしくみについてお話しますね。地震保険は火災保険の付帯保険として、任意で付加するかどうかを選択することになります。

地震保険には、大規模な地震災害時に一時的な生活の基盤を確保するという目的があります。現状を取り戻すための保険ではないという考えから、地震保険については保険会社と政府で折半しているため、どこの保険会社で加入しても保険料は同じです。

そして補償金額にも上限があり、例えば火災保険が1500万円の場合は、地震保険は半分の750万円までとなります。

地震による損害(倒壊や津波、地震火災による被害など)は火災保険の補償の対象外で、地震保険への付加でのみ補償されます。今後の生活に大きな影響を及ぼす地震への対策として、できる限りの備えをしてほしいと思います。

また2017年1月に地震保険の改定が予定されています。今年のうちの長期契約や、今加入されている方は保険の見直しをするチャンスとなるかもしれません。
(保険料だけでなく、損害の支払い割合等変更点がございますのでご注意ください)。

【ポイント】
■ 地震保険は火災保険の加入時に付加を選択する
■ 地震による損害を補償できるのは地震保険のみ(火災保険では補償されない)

マイホーム購入に向け、火災保険について知ることができた青山さん。契約時の不安もすっかり消え、2017年1月の地震保険の改定を前に、マンション購入・保険加入と円滑に準備が進められそうです。

青山さんの前回の相談では、自転車保険について学んでいます。
「【ファミリー必見】自転車保険をはじめ、暮らしのなかで子どもや家族を守る損害保険」もあわせてご覧ください。

プロフィール

浦田洋平(うらた ようへい)
法人損害保険を中心に個人分野まで幅広い損害保険をエキスパート。
損害保険は、保険金請求するときが一番大事と考えています。
年間3回以上フルマラソンを走る。

得意分野: 賠償責任保険・業務災害補償保険・火災保険・自動車保険
保有記録: フルマラソン3時間48分 ハーフマラソン1時間36分

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