契約者のほとんどが知らない、貯蓄型保険の「解約返戻金」を税金をかけずに受け取る方法

【監修: R&C株式会社 ファイナンシャルプランナー 菱村真比古】

保険を見直したり、まとまったお金が必要になって保険を解約したりしたとき、
返ってくるのが解約返戻金です。

解約返戻金はどれくらい戻るのでしょうか。また税金はかかるのでしょうか。

「解約返戻金があるはずなのに、受け取れなかった」

と慌てないように、ご自身が契約している保険について、
一度チェックしてみてはいかがでしょう。

【目次】
◆ 解約返戻金の多い保険・少ない保険
◆ 払い込んだ保険料より解約返戻金が多くても無税?
◆ 一時払いの保険や短期で解約したときは預貯金と同じ扱いになる?
◆ 今、解約したらいくら戻る? 解約前に考えること
◆ 最後に

 

解約返戻金の多い保険・少ない保険

解約返戻金といっても、聞き慣れない言葉に感じる方も多いのではないでしょうか。

生命保険には終身保険や医療保険などいろいろありますが、
契約した保険を解約したときに戻ってくるお金を「解約返戻金」といいます。

解約返戻金がどれくらい戻ってくるのか、
それは保険の種類や解約の時期などによって異なります。

定期保険や医療保険など保障に重点を置いた保険は、
解約返戻金はないか、少なくなっています。

また貯蓄型でも、払った保険料の総額を下回ったり、
契約してから短い期間で解約したりした場合は解約返戻金がないこともあります。

貯蓄型

保険料は高いが、解約返戻金も多い

  • 終身保険
  • 個人年金保険
  • 養老保険
  • 学資保険  など

掛け捨て型

保険料は安い一方で、解約返戻金は少ないかゼロ

  • 定期保険
  • 医療保険
  • がん保険

その他

貯蓄型ではあるが、保険料払い込み期間中の解約返戻金は少なく、
払込期間が終わってからの解約返戻金が多いもの

  • 低解約返戻金型終身保険
  • 一部の貯蓄型医療保険  など

 

払い込んだ保険料より解約返戻金が多くても無税?

前述の貯蓄型保険では、まとまった額の解約返戻金を受け取ることがあります

金額が多い場合、税金が気になりますよね。
解約返戻金にかかる税金について確認してみましょう。

税制上、解約返戻金は「一時所得」という扱いになり、
受け取った解約返戻金から払い込んだ保険料の合計額と
50万円の特別控除を差し引いた金額の半分が課税の対象となります。

一時所得 =(解約返戻金-払い込んだ保険料の合計-特別控除50万円)÷ 2

一見難しく感じますが
「解約返戻金が払い込んだ保険料合計額よりも少ない」
「解約返戻金と払い込んだ保険料合計額の差額が50万円を超えない」
場合は税金がかからないことになります。

多くの保険はこのどちらかに当てはまるので、
解約返戻金に税金がかかるケースは少ないといえるでしょう。

ただし、20年以上前に契約した予定利率の高い保険には、解約返戻金が多いものがあります。
すべての保険で税金がかからないわけではないので、解約する前には注意が必要です。

 

一時払いの保険や短期で解約したときは預貯金と同じ扱いになる?

すべての保険で解約返戻金の差益が一時所得の対象になるわけではありません。

たとえば養老保険の保険料を一括で払い、5年以内に解約した場合の解約返戻金の差益は、
金融類似商品として課税対象になることがあります。

この場合、受取った金額と払い込んだ保険料との差益に対して
20.315%(所得税+地方税+復興特別所得税)の源泉分離課税が適用されます。
金融類似商品として扱われるのは、下記に該当するものになります。

一時払い養老保険などで一定の要件に該当する保険で、

  • 保険期間が5年以内の保険の解約返戻金と
    払込保険料の総額との差益および満期保険金
  • 保険期間が5年を超える保険を5年以内に解約したときの解約返戻金と
    払込保険料の総額との差益

納税は源泉徴収で終わるので確定申告の必要はありません。

「保険料を一括ではなく毎月支払う」
「受け取った金額が払い込んだ保険料より少ない」
などの場合は金融類似商品にはならないので、課税対象にはなりません。

 

 今解約したらいくら戻る? 解約前に考えること

長い契約期間の中で
「保険を契約したものの、毎月の保険料が負担」
「まとまったお金が必要になった」
など、保険の解約を考えることもあるでしょう。

途中解約で保障がなくなったり、解約返戻金が払込保険料を下回ることがあるため、
解約は慎重に検討したほうがよいでしょう。

もし毎月の保険料が負担なのであれば、
解約の前に保険会社に保障の内容を見直す相談をしてみてはいかがでしょうか。

保険金を減額したり保障の優先順位が低い特約は外すなど、
すべてを解約しなくても済むこともあります。

「まとまったお金が必要だけれど、できれば保険は解約したくない」
というときには、契約者貸付制度を利用することもできます

契約者貸付制度とは、解約返戻金を担保に保険会社からお金を借りる制度です。

保険会社によりますが、解約返戻金額の70~90%までを目安に借りることができます。

保険種類によっては利用できないことがあります。
ここで注意したいのは、返済が滞り返済額が解約払戻金の額を超えてしまうと、
保険が失効してしまうことです。

自分がもらえる解約返戻金を担保にしているとはいえ、
保険会社の契約者貸付制度を利用する際は、
しっかりとした返済計画を立てた上で、貸付を受けることが大切です。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。
解約返戻金は、税金がかからない場合があることがわかりました。

家計が苦しくて保険料が払えないときに解約を選ぶか、
それとも何とかやりくりをして保険の継続を望むかは人によってさまざまだと思います。

貯蓄性が高く継続した方がメリットのある保険は、できれば解約したくないもの。

長く継続してきた保険であれば、すぐに解約を選択するのではなく、
一度保険会社の担当者に相談するのがよいでしょう。
必要な保障を残す形で保険を継続できる方法が見つかるかもしれません。

 

 

監修者プロフィール

R&C 菱村真比古

R&C株式会社 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)
中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

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Writerこの記事を書いたライター

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