「住宅ローンは固定金利と変動金利のどっちがお得? 3つの金利タイプを理解しよう」そっと耳打ち、誰も教えてくれない住宅ローンの裏話(その4)

33歳、年収500万、中小企業に勤務しているサラリーマンの中原洋介さん。奥様は32歳主婦(妊娠5ヶ月)の恵さん、そしてもうすぐ3歳になる息子の正太郎くん。

2人目のお子さんの誕生を前に、夢のマイホーム購入に向けて、前向きに検討を始めたところです。

【 目次 】
固定金利と変動金利、どっちがいいの?
まずは3つの金利タイプの基本的な違いを知ろう
ケーススタディー・3000万を35年ローンで借りる場合
損得ではなく、この視点で金利タイプを選ぼう

固定金利と変動金利、どっちがいいの?

今は低金利なので変動がお得です」などと、金融機関から一方的な提案を受けてはいませんか。
どのローンが得なのか? はたまた損なのか? 住宅ローンという慣れない商品を選ぶときに多くの方が戸惑うポイントがまさにここ。

中原 「金利は高いよりは低いほうが良い…。そこは理解できます。ところが固定が良いのか変動が良いのか。これはどう考えれば良いのかわかりません。銀行の担当者の方からは低金利ということで変動をすすめられましたが…」

菱村 「まず大前提として、ローンの損得は払い終わってみないとわからないものです。特に変動金利の場合、将来いくら支払うかはどんな専門家にも正確な計算はできません。文字通り金利も支払いも一定のルールで変動しますから。お金の話なのに、損得を軸に考えると答えが出ない。これが住宅ローンの難しさなのです」

中原
「そうは言ってもやはり損得は気になってしまいます。ネットで調べてみても、固定がいい! いや、変動だ! とさまざまな意見があり、どれも正しい主張のように思えてしまって…」

困った様子の中原さん。果たして納得いく住宅ローンを選ぶことができるのでしょうか。

まずは3つの金利タイプの基本的な違いを知ろう

住宅ローンの金利は主に以下の3種類があります。

● 全期間固定金利型
● 固定金利期間選択型 ※
● 変動金利型

この中で、まずは変動金利と固定金利の違いを理解しておきましょう。
ポイントは、損得にとらわれずにメリットとデメリットの両面を見ることです。

※ 固定金利期間選択型は、最初の数年間のみ金利を固定した住宅ローンで、本質的には変動の仲間だと理解しておくと良いでしょう。固定金利と変動金利、両方の特徴を併せ持っている金利タイプです。

ケーススタディー・3000万を35年ローンで借りる場合

ボーナス払いなし、元利均等方式というよくあるパターンでシミュレーションを作成した結果が以下。
※団信(団体信用生命保険=住宅ローンの生命保険)は考慮しないものとします。

▶固定金利を選択したK・Tさん(金利1.2%)

毎月の返済額: 87,510円

返済総額: 36,780,520円

▶変動金利を選択したH・Dさん(金利0.6%)

毎月の返済額: 79,208円  ~ ?????円

返済総額: 33,280,538円 ~ ????????円

 

このように比較してみると、両者の違いは歴然です。まず毎月の返済額。同じ家を購入しているにもかかわらず、その支払いの差は毎月8,302円。そしてこの差額を35年繰り返していくと、両者の間には約349万円の差額が生まれてくる計算になります。こういったシミュレーションを見て、迷いなく変動を選択する方も多くいらっしゃいます。

でもちょっと待って。これは変動金利が奇跡的に35年間0.6%で続いていけばという仮定の話であることをお忘れなく。

では将来金利が上昇した場合について考えてみます。以下のシミュレーションをご覧ください。わかりやすいよう、あえて極端な例を記載します。

▶変動金利を選択したH・Dさん(当初金利0.6%→15年後にインフレの影響で3.0%)

毎月の返済額: 79,208円  → (15年後)99,238円

返済総額: 38,067,720円

もしこのような未来が到来するとわかっていたら…? 多くの方は固定金利を選んでいたかも知れません。

「でも未来のことなんて誰もわからないじゃないか!」といった声が聞こえてきそうです。その通り、誰にもわからないのです。だからこそ、今、将来の損得を軸にあれこれ考えても、住宅ローンの金利タイプ選択の答えにはたどり着けないのです。

損得ではなく、この視点で金利タイプを選ぼう

固定と変動の違いを簡潔に記すと、

固定金利を選ぶ … 「リスクを最小化したい」

変動金利を選ぶ … 「メリットを最大化したい」

このことに尽きるでしょう。例えば、上記のシミュレーションの場合、目先の返済額を考えるとどうしても固定のほうが8,302円ほど高くなる。この8,302円に対して次のような意味付けをしてみてはいかがでしょうか。

「将来、ローンの返済額が上がらない保障を買うための保険料として8,302円を支払う」と。8,302円にその価値を感じることができれば、固定で良いと考えて良いかもしれません。

例えば、お子様が小さく、これから教育費が増えてくる可能性が高い夫婦の場合、先々金利が上昇し住宅費も上がってしまうと家計のやりくりが難しくなってしまう恐れがありますよね。そこで、目先の安さより「将来の住宅費がロックされている」という安心感を優先したい場合は、固定金利を選ぶと良いのです。

一方、変動の魅力は何といっても適用金利の低さ(つまり目先の安さ)です。繰り上げ返済が実現可能な場合などは、金利上昇リスクをある程度ヘッジできていると考えても良いでしょう。

短期的に完済が見込めている場合は、目先の安さを優先することが結果的にメリットを生む可能性が高いと考えられるのです。詳しくは割愛しますが、ほとんどの変動金利タイプの商品は団信(住宅ローン用の生命保険)が付加されているのも安心材料の一つと考えて良いのではないでしょうか。フラット35でも団信への加入は可能ですが、別途所定の保険料を支払わなければなりません。

ここまでしっかりと金利タイプによるメリット・デメリットの両面を理解してもらえれば、あとは「夫婦の考え方や生き方にあった金利は、一体どちらだろうか?」を自問自答してみて下さい。そうすれば悩ましい金利選びは自ずと答えにたどり着くのではないでしょうか。

住宅ローンの金利選びには「絶対」も「正解」もありません。損得感情はいったん手放し、夫婦の生き方・考え方を話し合う良い機会と捉え、共に歩んでいくそのスタンスを軸に住宅ローンを考えてみることをおすすめします。

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今回お話を伺った菱村さんのプロフィール

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ウーマンライフエキスパート : 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)

中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

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