「夢のマイホームを手に入れるための方法と覚悟7つのポイント」そっと耳打ち、誰も教えてくれない住宅ローンの裏話(その3)

33歳、年収500万、中小企業に勤務しているサラリーマンの中原洋介さん。
奥様は32歳主婦(妊娠5ヶ月)の恵さん、そしてもうすぐ3歳になる息子の正太郎くん。

2人目のお子さんの誕生を前に、夢のマイホーム購入に向けて、前向きに検討を始めたところです。

現在の収入から35年ローンを組んだ際に、銀行から借りられる最高額は、およそ4762万、けれども実際に安心して完済できる金額は2500万円ほどということが分かった中原さん。購入したい家は4000万円なので、この金額では満足のいくマイホームを手に入れることはできません。

具体的な計算方法については「年収をベースに算出した2500万円では理想のマイホームが買えない?!」をご覧ください。

中原さんが希望する物件を買うには約1500万円のギャップがあります。中原さんはこのギャップをどのようにして埋めていけば良いのでしょうか?

ここでは、足りない分のギャップを埋めるために必要な具体的な方法と覚悟についてご紹介します。

500万円の年収で4000万円の家を買うためにすべきことは3つ、心がけることは4つ

購入したい家の金額は4000万円、無理なく支払える金額は2500万円。1500万円のギャップを埋めるための方法と覚悟について、分かりやすく説明をしてくれた菱村さん。

ここで中原さんが4000万円の家を買うために示してくれたポイントは7点あります。

1. 頭金をなるべく多めに準備する
2. 昇給による給料アップ分を計算に入れる
3. 奥さまのパート分を計算に入れる
4. 65歳までは頑張って働く
5.
返済比率を高める
6. 退職金の一部を繰り上げ返済に使う
7. 金利の低い変動金利を選ぶ

1. 頭金をなるべく多めに準備する【◎】

買いたい家は4000万円、借りて良いお金は2500万円。それなら1500万円の頭金を準備すればOK。全額の用意が難しい場合は、次の2.~7.を考えていきましょう。

2. 昇給による給料アップ分を計算に入れる【◎】

中原さんは年収500万円の設定で借りられるお金を計算しましたが、大企業勤務や公務員の方なら徐々に自分の収入が上がっていくことが期待できるもの。例えば40代で600万円、50代で800万円、役職がつけばもっと…? とすると33歳~60歳までの中原さんの平均年収は、固く見ても650万円(手取り年収500万円)は下回らないだろうという予想のもと、先ほどの計算の数字を入れ替えてみます。

すると…

500万円 × 27年 × 30% × 0.78 3159万円

借りて良い金額が一気に増えましたね。ただし中小企業への勤務の方や転職を考えている方、個人事業主の方等はなかなか思い通りに収入アップしないもの。将来の昇給を過度に期待しすぎるのは厳禁!

3. 奥さまのパート分を計算に入れる【◎】

これも基本的な考え方は②と一緒です。例えば、奥さまの恵さんが、第二子を33歳でご出産。お子さまが小学校に入学した後、38歳から55歳まで(第二子が大学卒業するまで)の17年間をパートで働くことをイメージしてください。

収入は毎月8万円、年収に直すと96万円です。この年収であれば、ほぼ全額が手取りです。返済比率は先ほどと同じ30%にして(この時期は学費に貯蓄に大変です。稼ぎの全額をローン返済に回すわけいにはいかないでしょうから、30%をローン返済に回すイメージ)先ほどの計算式に当てはめてみましょう。

96万円 × 17年 × 30% ×0.78 = 382万円

奥様に「一定期間パートで働くという覚悟」を持ってもらうことによって、中原さんが本来借りて良い2,500万に382万を上乗せしても、先々返済していく見通しが立ちます。

4. 65歳までは頑張って働く【○】

これは単純に働く期間を長くすることで、ローンを多く借りて多く返せるという考え方。ただ、このご時世ですから60歳以降で本当に職があるのか、果たしてどれだけの収入を得ることができるのかは予想しづらいものです。
(継続雇用であっても、先述したように、再契約によって大幅に収入が減ることになるかもしれません)2.と同様に、将来の不確定な収入に対して過度な期待は控えたほうが良いかも知れません。

5. 返済比率を高める【○】

中原さんは手取り33万円のうち30%(9.9万円)をローン返済に充てていく計算でライフプランを考えました。この返済比率を仮に35%(11.5万円)まで高めて、先ほどの計算式に当てはめてみましょう。

396万円 × 27年 × 35% × 0.78 2919万円

返済比率を5%高めるだけで、中原さんの借りて良い金額が419万増えました。ただし手取りの多くを住宅費に割くということは、当然残りの使えるお金が減ることを意味します。

これから本格的に始まる子育てや将来の学費、車の買い替え、夫婦の貯金まで考えると、返済比率の操作には慎重な姿勢が必要だといえそうです。

6. 退職金の一部を繰り上げ返済に使う【△】

以下のシミュレーションで、中原さんが60歳時点でいくらの残債があるかをチェックしてみましょう。

・住宅ローン契約者:中原さん(33歳)
・借入金額:4000万
・返済期間:35年(中原さん68歳まで)
・適用金利:全期間固定の1.5%
・元利均等方式、ボーナス払いなし


一般に住宅ローンを契約すると、銀行から「償還表」という返済のシミュレーション表を受け取ります。この書類を見ると、どの時点で残債がいくらあるのかを把握することができます。

上記設定の償還表には、中原さん60歳時点での残債が1,107万3,021円と記載されています。したがって、もし中原さんの退職金が1500万円だとすれば、60歳時点で完済が可能です。

ただし退職金の金額は勤め先の退職金規定や、転職のタイミングで大きく左右されるもの。また老後の生活費の貴重な原資であることは言うまでもありません。

ローンの完済も大事ですが、無理な繰り上げ返済の計画は老後の首を締める結果になりかねません。老後年金がどうなるかわからないこの時代、退職金を使った繰り上げ返済に過度な期待はしない方が良いかもしれません。

7. 金利の低い変動金利を選ぶ【?】

「固定と変動、どっちを選べば良いのだろう?」これは住宅ローンを検討される方が必ず悩まされる選択です。変動金利のメリットはなんといっても金利の低さです。

同じ融資額を返済していく上でも、返済額に含まれる利息分が少ないため、毎月の返済額が固定金利より少なくなります。これは言い換えれば、同条件で融資を受けた場合、固定金利よりも「返済比率」が下がるということ。つまり、意識的に5の返済比率を上げやすい環境になるということです。

一方、変動金利にはデメリットもあります。目先の金利が低いのは良いことですが、先々の金利上昇の影響次第では毎月の返済額が高くなってしまうことも。
変動金利か固定金利かに関わらず、無理のない返済プランを立てることが重要ですね。

頑張ってマイホームを買うコツ 必須項目は1~3。4~7は覚悟と気合で実施を検討

中原さんがマイホームを購入する際に必要な7つのポイントを、オススメ度を入れながらまとめてみると、こんな感じになります。

mortgage3

色々なことがわかってきた中原さん。いよいよ話が具体的になっていきます。

菱村 「それでは中原さんにできそうなことから考えていきましょう。まずa 頭金については、いくらくらい入れられるご予定でしょうか」

中原 「頭金は夫婦合わせて500万円用意しています」

菱村 「そうですか。では4000万円の家を買うには、3500万円の住宅ローンを組みたいところです。b.の昇給に関してはどうでしょう?これから収入はどんどん伸びていきそうですか?」

中原 「なんとも言えないところですが、今の収入よりは上がっていくと考えています。真面目に仕事をこなせば60歳までの収入は伸びていくはずです。私の会社は中小企業とはいえ、業界では中堅規模の会社。役職が付けば40代で1000万円も夢ではありませんが、あまり欲を出さず堅めに見て、この先は平均650万円くらいの収入は見込めると考えています」

菱村 「わかりました。では、60歳までの平均の手取り年収は、低めに見て500万円といったところでしょうか。年収を上方修正して計算し直すと、3159万円までが借りていい金額と言えそうです。目標の3500万円まであと一息ですね。残り341万円、どうしましょうか。いろいろな方法がありますが」

中原 「家を買う話を始めた時から、子どもが小学校に入学したらパートで働いてくれるということで話をしており、最低でも月8万円は仕事をするようにと考えています。小学校入学から大学卒業までの17年は働くといってくれているので、そこは期待できるかなと思っています」

菱村 「そうなんですね。すると、8万円×12ヶ月×17年=1632万円もの収入を、中原さんの収入とは別に得ることになります。しかも年収100万円未満の場合は、ほぼ全額が手取り。奥様の収入の1/3でもローン返済に充てることができればいいですよね。そうすると・・・」

中原 「4000万円の家は買えそうですね!」

具体的に数字が見えてきたことで、住宅の購入を前向きに考え始めることができるようになった中原さん。その半年後、4人家族になった中原ご夫妻は、4000万円で理想のマイホームを買うことになりました。

さぁ、菱村さんのアドバイス通りに住宅ローンのシミュレーションをして金融機関へと向かった中原さん。ところが、またしても大きな悩みを抱えることになりました。

住宅ローンには多数の商品があり、固定金利か変動金利のどちらかを選ばなければなりません。

「固定と変動、どっちを選べばいいのだろう・・・」

さぁ、中原さんはどうするでしょうか?
お話しは住宅ローン(選択編)「住宅ローンは固定金利と変動金利のどっちがお得? 3つの金利タイプを理解しよう」へと移行していきます。

「そっと耳打ち、誰も教えてくれない住宅ローンの裏話」その他もご覧ください。

年収をベースに算出した2500万では理想のマイホームが買えない?!

住宅ローンは固定金利と変動金利のどっちがお得? 3つの金利タイプを理解しよう

今回お話を伺った菱村さんのプロフィール

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ウーマンライフエキスパート : 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)

中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

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