先進医療特約を活かすために知っておきたいこと

【監修: R&C株式会社 ファイナンシャルプランナー 菱村真比古】

病気やケガで医療機関を受診。
医師から選択肢のひとつとして先進医療を提示されたら、あなたはどうしますか?
「先進医療」という言葉を聞いたことはあっても、その内容や費用について詳しく知っている人は少ないようです。

医療技術が進化を続ける中で、いざというときに自分に必要な治療を選べるように、先進医療の正しい知識を身に付けておきましょう。
今回は先進医療とは何か、先進医療を活用するための備えなどについて説明します。

【目次】
◆ 「先進医療」とはどのようなもの?
◆ 「先進医療」にあたる医療技術はおよそ100種類
◆ 民間保険の「先進医療特約」とは?
◆ 「先進医療特約」のメリットと注意点

 

「先進医療」とはどのようなもの?

先進医療とは、簡単にいうと国民健康保険や健康保険の適用外となり、患者が全額を支払うものです。
2006年までは高度先進医療という言葉が使われていましたが、いまは先進医療と呼ばれています。
健康保険の対象外なため、数十万~数百万といった高額な費用の自己負担が必要となることもあります。

●先進医療とは厚生労働省が認めた高度な医療技術(治療、手術)の総称。
将来的に公的な健康保険の対象にするかどうか、評価中のものです。
先進医療にかかる費用は、全額自己負担で、医療の種類や病院によって異なります。
ただし保険診療と共通する診察・検査・投薬・入院料などは保険給付があります。

●先進医療を受けられる場所は、先進医療の有効性や安全性を確保するため、医療技術ごとに一定の施設基準が設定されています。
その基準をクリアした医療機関でのみ、先進医療を受けられます。

※先進医療が受けられる医療機関の一覧は、下記の厚生労働省のサイトで見ることができます。https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html

 

「先進医療」にあたる医療技術はおよそ100種類

平成28年11月1日現在、先進医療は全部で105種類となっています。
先進医療に該当する治療や手術は、定期的に見直されます。
保険の対象となったもの、評価の対象でなくなったものは先進医療から外れます。

105種類というとずいぶんたくさんあるように感じますが、「陽子線治療」や「重粒子線治療」をはじめとして、がんの治療で使われるものが目立ちます。
また、がんを摘出する際に行う腹腔鏡手術にも、先進医療に該当するものがあります。
腹腔鏡手術は傷跡が小さく、身体に負担が少ない手術として注目されています。

厚生労働省によると、がんは日本人の死因第1位。
現在、国内では亡くなった人の3.5人に1人はがんで死亡しています。
また生涯でがんにかかる確率は2人に1人と言われています。
がんと告知されたら愕然とすると同時に「治せるなら治したい」と思う方も多いでしょう。
諦めないがん治療として、がんに関係する先進医療は注目されています。

がん治療以外にあるのは、たとえば「骨髄由来間葉系細胞による顎骨再生療法」。
病気などであごの骨の一部や歯を失い、ほかの方法では噛む機能の回復が難しい患者に、骨を再生してインプラントで歯を入れる技術があります。

また白内障治療の「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」、婦人科系の「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」など、様々な先進医療があります。

先進医療の費用総額は205億円と、23年から平成27年の5年間で2倍に増えました。
治療に先進医療を選ぶ人はこれからも増えつつあるといっていいでしょう。

民間保険の「先進医療特約」とは?

せっかく医師から先進医療を提案されても、高額であれば躊躇することも。
そんなときに「先進医療特約」が保険に付加されていると安心です。
通常、先進医療保障は主契約として単独で契約することができないため、医療保険やがん保険に特約として付けることになります。

先進医療特約では、毎月数百円の掛け金で、決まった金額まで(2,000万円までなど)の先進医療費が給付されます。
また一時金や医療機関に通う交通費が給付されるものもあります。

実際に先進医療を受ける際は、医療機関で治療内容や費用などの説明を受け、同意書に署名をしてからになります。
先進医療特約の給付手続きや税金の医療費控除を受けるためには、医療機関の領収書が必要になります。
領収書は忘れずに保管しておくようにしましょう。

また交通費が支給される先進医療特約の場合は、医療機関に通った経路や費用もしっかりメモしておきましょう。

「先進医療特約」のメリットと注意点

先進医療特約を契約する際に注意しておきたい点がいくつかあります。
ひとつひとつ見ていきましょう。

先進医療特約がカバーする範囲

「がん保険+先進医療特約」の場合は、がん治療にかかわる先進医療のみが対象となります。
がん治療以外の先進医療もカバーしたい場合は、「医療保険+先進医療特約」を選ぶ必要があります。

先進医療の費用

高額なイメージがある先進医療ですが、すべてが高額とは限りません。
がん治療で使われるなど、安いものもあります。

先進医療は医師が決める

先進医療はどんな患者でも受けられるものではありません。
患者の病状や体質、病歴によって本人が希望しても受けられない先進医療があります。
本人が希望し、医師が必要であり、合理性があると認めたときに受けることが。

先進医療の内容は定期的に変わる

先進医療は新しい治療が追加されたり、先進治療のリストから外される治療もあります。
特約でカバーできる先進治療には入れ替えがあるという前提で、自分の備えを考えるとよいでしょう。

自由診療という選択肢も

先進医療特約は先端医療に該当する治療のみが保障の対象となりますが、主契約のがん保険は、自由診療、先進医療、保険診療のすべてががん治療費として保障の対象となります。

保険診療と先進医療はそれぞれ一定の枠組みの中で提供される医療です。
よりきめ細かい治療を受けるため、先進医療以外の保険外診療を希望する場合、経済的に余裕がある人は、一連の費用全額を自己負担する自由診療という選択肢もあります。

誰にもケガや病気は突然訪れるものです。
万が一のことが起こったときに治療を諦めないのはもちろん、家族に経済的な負担をかけないためにも、先進医療特約を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

監修者プロフィール

R&C 菱村真比古

R&C株式会社 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)
中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

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Writerこの記事を書いたライター

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