がん保険だけでは心配? 三大(特定)疾病保険は入るべき?

今は元気だけどそろそろ生活習慣病も・・・。40歳を過ぎたあたりから健康に一抹の不安を感じる方は多いはず。最近よく目にするのが「三大疾病保険」です。

がんだけでなく、心筋梗塞・脳卒中といったいわゆる国民病にも対応しているとか。そのしくみやがん保険との違いなどを詳しく解説していきます。

【 目次 】
◆ 「三大疾病保険」のしくみと特徴を知る
がん保険・医療保険との違いってどんなところにあるの?
三大疾病保険の契約前に確認すべきこと
現在加入中の保険とのダブリに気をつけましょう

自分にとって本当に必要な保障か、広い視点で見極めて

「三大疾病保険」のしくみと特徴を知る

三大疾病は、日本人の死因のトップ3である「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」という生活習慣病のこと。その備えとして登場したのが三大疾病保険」です。

三大疾病保険とは

三大疾病保険は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中にかかったときに一時金が支払われる保険で、保険会社によっては「特定疾病保険」とも言います。以前は三大疾病特約としてお馴染みでしたが、最近は単独商品の「三大疾病保険」として販売されることが多くなっています。

三大疾病保険の保険金

「特定疾病保険金」、「死亡保険金」、「高度障害保険金」の3つの保険金で構成されています。

特定疾病保険金・・・がん・急性心筋梗塞・脳卒中(くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞)で保険会社所定の状態になったときに、一時金が給付されます。

死亡保険金高度障害保険金・・・三大疾病はもちろん、それ以外の病気でも、死亡・高度障害状態となった場合に給付されます。

*以上の保険金のいずれかひとつが給付されると、その時点で保険契約は消滅します。

保険期間は3タイプ

定期(年満了)・・・10年・15年など一定の年数を保険期間とし、会社の規定の年齢まで更新できます。更新すると、概ね更新前より保険料が高くなります。

定期(歳満了)・・・「60歳まで」など契約時に決めた年齢まで保障が続きます。

終身 ・・・一生涯にわたって保障が続きます。保険料は一定で変わりません。

*定期型は、保険期間内に三大疾病・死亡・高度障害状態のどれにも該当しなかった場合は何も受け取れず、ほぼ掛け捨てとなります。そのため終身型より、保険料は安く設定されています。終身型は最終的に必ず保険金が受け取れます。

がん保険・医療保険との違いってどんなところにあるの?

医療保険には加入済み、そのうえで、がん保険、三大疾病保険、どちらに入るべきか悩んでいる方も多いと思います。
最初にそれぞれの保険の特徴を確認しておきましょう。

医療保険・がん保険・三大疾病保険の違い

簡単に言うと、「医療保険」はがんを含むすべての病気・ケガに対応するオールラウンドプレーヤー。「がん保険」はがんのスペシャリストで、対象はがん限定です。

がんの長期的で多様な治療に対応し、まとまった額の「診断給付金」、入院の長期化に備えて日数無制限の「入院給付金」、退院後の「通院給付金」など、医療保険にはない、きめ細かい保障内容になっています。

三大疾病保険は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中が対象です。しかし、がんになっても、がん保険のような長期的な保障はありません。保険金が給付されると、そこで契約は終了します。

三大疾病保険のメリットは


メリット1:一時金で治療費や生活費の不足分を補える

厚生労働省の人口動態統計年報によれば、日本人の死因のうち、三大疾病の割合は56.6%。内訳は、がん(悪性新生物)30.1%・心疾患15.8%・脳血管疾患10.7%。

がんが第1位ではあるものの、心疾患や脳血管疾患も侮れないのは確か。また、この2つは治療が長引き、お金がかかる病気でもあります。

三大疾病にかかった場合、医療保険でも保険金は給付されます。しかし三大疾病保険の「特定疾病保険金」のような数百万円の一時金という保障はありません。病後、身体に負担のある仕事ができなくなり、収入減となるケースも多いようです。

そこで医療保険とは別に加入し、治療費には医療保険の保障を使い、三大疾病保険は治療費の不足分や収入減少分をカバーする、という使い方もできます。

メリット2死亡・高度障害については三大疾病以外の病気でもOK

三大疾病以外の病気で死亡、あるいは高度障害状態になっても、特定疾病保険金と同額の死亡保険金または高度障害保険金を受け取れます。原因が事故の場合も対象です。

メリット3:終身型は掛け捨てではなく、お金が戻ってくる

三大疾病保険の最大のメリットは、貯蓄型保険という一面があるところ。終身型なら、三大疾病になってもならなくても、解約返戻金が戻ってきます。これは掛け捨てが基本のがん保険にはない利点です。

早く解約してしまうと返戻率が低いのですが、契約から時がたつほど、また高い返戻率となります。つまり健康で長生きすれば、一定の金額が戻り、必要なときは老後の資金として活用できます。

*契約時の年齢・保険期間・解約時期によりますが、定期型では解約返戻金はほとんどありません。

三大疾病保険の契約前に確認すべきこと

メリットの多い三大疾病保険ですが、一方で必要性が疑問視されていることも事実です。その理由は保険金の支払要件にあります。保険会社規定の「所定の状態」にならないと給付対象になりません。

厳しいと言われる「所定の要件」は、だいたい次のようなものです。

* がん(悪性新生物)・・・上皮内新生物(上皮内がん)と、悪性黒色腫以外の皮膚ガンは対象外です。責任開始日から90日以内に罹患した乳がんも対象外。

* 急性心筋梗塞・・・60日以上、労働の制限を必要とする状態(家事などの軽労働や事務などの座業はできるが、それ以上の活動はできない状態)が継続したと医師に診断されたときだけOK。

* 脳卒中・・・くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞のみが対象。脳卒中と診断された日から60日以上、運動失調、言語障害、麻痺が継続したと医師に診断されたときだけOK。

つまり三大疾病になれば必ず受け取れるわけではないということ。特に、急性心筋梗塞・脳卒中は60日の制限があり、すぐには支払われません。

このように支払要件はかなり厳しいのが現状。ただ保険の本質は、思いがけない大きな出費に備えることにあるので、支払要件が厳しい=良くない、というわけではありません。

なお「所定の状態」については、生命保険会社によって異なるので、契約のしおりや約款を確認してください。

現在加入中の保険とのダブリに気をつけましょう

がんだけでなく、心筋梗塞や脳卒中もやっぱり心配。ただ、あれもこれもと加入すると、保障対象がダブり、保険料も割高になってしまいます。

まず今加入している医療保険・がん保険・死亡保険の保障内容の確認を。
住宅ローンを組む際に加入する団体信用生命保険は、「8大疾病保障特約付き」、「特定状態保障特約付き」の商品が多いので、すでに入っている方はこちらもチェックして、ダブらないようにしましょう。

節約を考えるなら、単独の三大疾病保険でなく、医療保険、生命保険、養老保険、終身保険などの主契約に三大疾病特約を上乗せする方法もあり、多少保険料が抑えられます。

自分にとって本当に必要な保障か、広い視点で見極めて

三大疾病保険は、保障を持ちながら終身型は解約返戻金もあるのが大きな魅力、でも支払要件の厳しさは大きなネックです。このようにメリットとデメリットがあり、それをどうとらえるかは人それぞれです。

また「がん保険か、三大疾病保険か」という問題については、前述のように、この2つの保険はしくみが根本的に異なるため、どちらがいいとは一概に言えません。

ただ一般の医療保険でも入院給付金や手術給付金が出ます。そして日本は社会保障制度が充実していることもお忘れなく。支払要件に該当すれば、「高額療養費制度」や「障害年金」など、会社員なら「傷病手当金」といった保障を受けられるので、保険はコンパクトにして、貯蓄で備えるのもひとつの選択肢です。

まず自分がどういった病気に備えたいのか、どんな保障が欲しいのかをじっくり考えて、自分なりの判断基準を持つことが大切。もちろん支払う保険料に見合った保障内容かということも確認すべきこと。加入の際は、以上を吟味して、充分納得したうえで契約してください。

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