妊娠から出産まで、全部でいくらかかる? 妊娠したら知っておくべき公的支援制度

妊娠・出産したとき、何にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。それをどのように準備すればよいのでしょうか。

日本には、妊娠・出産に対して公的なサポートを受けられる制度があります。今回は、妊娠してからの費用と、どのような公的制度が利用できるのかをご紹介。妊娠や出産を控えて、経済的に不安をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

何にいくらかかる? 妊娠・出産で必要なお金

妊娠を知ってから出産に至るまでには、さまざまな出費がともないます。まずは、何にどのくらいの費用がかかるのか詳しく見ていきましょう。

■定期健診

妊娠と判断されると、おなかの赤ちゃんと妊婦の健康をチェックするため、医療機関での定期健診が始まります。この定期検診は保険適用外になるので全額自己負担。費用は検診1 回につきおよそ5,000 ~10,000 円。出産までの検診の回数は、平均して14 回ほどになるので、合計すると10 万円前後の費用がかかることになります。

■分娩費用

分娩費用は病院によって差がありますが安いところでも30 万円から。高いところでは100 万円を超えることもあり、全国平均では約42万円となっています。個室や入院グッズが用意されている産院やエステやホテル並みの食事がでるところはサービス料が加算され、それなりに費用がかかる傾向にあります。

また夜間や土日祝日などの時間外分娩になると、数万円がプラスされる医療機関が多いので覚えておきましょう。

の他、出産時に陣痛促進剤や吸引分娩、鉗子分娩、輸血などの処置がおこなわれた場合、その分の費用もかかってきます。

■マタニティ用品

妊婦に必要なマタニティ用品にはおおよそ5万円かかるといわれています。

妊娠線予防グッズや抱き枕、マタニティパジャマなど魅力的な商品が多く、お金をかけた分だけかかってしまうのもこの部分。妊娠期間でマタニティウェアを着るのはお腹が目立つ短い間のみです。

普段着ているワンピースや、子育て中にも着られるものをチョイスすると長く着まわすことができて便利。マタニティ用品の費用は、出費の上限を決めておくと余計な物を買わずに済むでしょう。

■ベビー用品

初めての赤ちゃんの場合、下着やおむつ、ベビー用の布団、ミルク用品などの出産準備に10 万円ほど見ておくと安心です。ベビーカーやベビーベッドなどは、お下がりやレンタルを利用すれば節約することもできます。

医療機関などに支払う費用とは違い、代用やお下がり、レンタルなどで節約できるのがマタニティ・ベビー用品。出産準備の雑誌や先輩ママの情報を集め、必要な物を見極めて計画的に買い物をしましょう。

■里帰り出産

赤ちゃんを産んでからすぐは、身の回りのお世話を実家の家族に頼ることも少なくありません。里帰り出産をする場合、生活費として実家にお礼を準備するという意見が大多数。1ヶ月で2 ~3 万円が相場のようです。

生活費を渡す場合は必ず初日に、封筒に入れて渡しましょう。実の親子でも、「お世話になる」という気持ちが大切です。

 

分娩費用は公的医療保険でまかなえる? 

平均42万円かかる分娩費用も、公的医療保険から定額で支給されます。

■「出産育児一時金」または「配偶者出産育児一時金」

出産した本人が被保険者となっている健康保険組合または、国民健康保険から、「出産育児一時金」として42 万円の給付があります。出産費用を支払った後、請求をして戻ってきます。また健康保険の被扶養者の場合も、「配偶者出産育児一時金」として同じ金額が給付されます。

出産費用を全額窓口で支払うと負担が大きいため、分娩費用と42万円との差額のみを支払うことが可能な制度。加入している健康保険組合などが、医療機関に直接支払う仕組みです。すべての医療機関が制度を導入しているわけではないので、事前に窓口で問い合わせておくとよいでしょう。

■帝王切開による出産は医療保険の給付対象

帝王切開にともなう投薬料、手術料、入院料などは、医療保険の療養給付の対象で、自己負担は費用の3割になります。自然分娩よりも入院日数が長くなるため、自己負担額が多くなってしまうケースも少なくありません。このような場合は、高額療養費制度を利用することで払い戻しを受けることができます。

職場復帰するなら知っておきたい出産手当金

産休・育休中にはほとんどの会社で給料の支給がストップします。その間の生活を支える制度が「出産手当金」です。

対象: 健康保険の被保険者(本人)で産休中も保険料の支払いを継続していること。
     妊娠4か月以後の出産(早産、流産、死産なども含む)。

期間: 出産日以前42日から出産日の翌日以降56 日までの仕事を休んだ期間。範囲内。 (多胎妊娠の場合、出産日以前98 日)

支給額: 支給開始日以前の継続した12か月の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日の3 分の2。給与の支払いがある場合は、その差額。申請: 勤務先で「健康保険出産手当金支給申請書」を受け取り、提出すれば1 ~2 か月後に一括で振り込まれます。

※退職する場合も要件を満たせば支給されますが、在職期間が1年未満だと適用されないので注意が必要です。

<対象外>
夫の扶養に入っている(被扶養者である)場合や、自営業などで国民健康保健に加入している場合は、出産手当金は支給されません。

参考:公益社団法人 国民健康保険中央会、全国健康保険協会

自治体によって、妊婦健診にも公費助成あり

妊娠・出産の際に、それぞれの自治体から公費が助成されることがあります。

■定期健診には受診券を使用

自治体に妊婦届を提出する際に母子健康手帳と一緒にもらえるのが、医療機関等で使用できる「受診券」や「クーポン券」です。

まかなえる金額や内容は自治体ごとに異なるので、お住まいの市区町村に問い合わせてみてください。補助券を使用しても、自己負担分として平均5 ~ 10万円の出費がかかります。

まとめ

自然分娩の場合で概算すると、妊娠・出産費用とマタニティ・ベビー用品を合わせて75万円。出産一時金や補助券を使用し平均28万円の準備が必要という計算になります。

本当にお金がかかるのは生まれてから。食費や教育費があまりかからないうちから、財布の紐を締める癖をつけておくと後々苦労せずに済みます。

公的にもらえるものをチェックすれば、経済的な心配は最小限に抑えられるはず。お金の心配をクリアにし、マタニティライフを楽しく健康に過ごしてください。

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