がん家系はがんになりやすいってホント? 近親者にがんが発生したら知っておきたい遺伝性のがんのこと

日本人の2人に1人が一生のうちにがんになり、亡くなった人の3人に1人はがんが死因という現代。
親族にがんになった人がいると、自分もがんの遺伝子を受け継いでいるかもしれないと
不安を持つ人も多いことでしょう。

がん家系というものがあるのか、遺伝性のがんにはどのような種類があるのか。
遺伝性のがんの特徴や遺伝が関係する乳がんについて詳しく探ります。

【目次】
◆ がん家系って本当にあるの?
◆ 遺伝性がんの特徴は?
◆ 親族が乳がんなら私も必ずかかるの?
◆ もし、遺伝性のがんが疑われたら?
◆ 最後に 

がん家系って本当にあるの?

身内にがんになった人がいると、自分もがんになるのではないかと心配になる人も少なくありません。
「がん家系」という言葉をよく聞きますが、がんと遺伝は関係があるのでしょうか。

がんの発生には、遺伝的要因とがんの中でも、
遺伝的な要因が大きく関わっているものを「遺伝性のがん」といいます。

しかし、がんの遺伝子を持っていた人の100%ががんになるというわけではありません。
遺伝的要因に生活習慣など、ほかの要因が加わってがんが発生するものと考えられています。

では、遺伝性のがんにはどのような種類があるのでしょう。

遺伝性のがんの種類

・大腸がん
家族性大腸ポリポーシス(家族性大腸腺腫症)
大腸の中に100個以上のポリープができる病気で、このポリープが大腸がんに変化しやすいのが特徴です。
患者数は全大腸がんの1%以下です。

リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)
普通の大腸がんと同じような腫瘍ですが、家系内に同じリンチ症候群に関連したがんの人がいる場合や、
そのうち50歳未満で診断されている場合など状況をみて診断されます。

ほかには、
・乳がん、卵巣がん(遺伝性乳がん、卵巣がん症候群)
・骨軟部肉腫(リー・フラウメニ症候群)
・皮膚がん(遺伝性黒色腫)
・泌尿器がん(ウィルムス腫瘍、遺伝性乳頭状腎細胞がん)
・脳腫瘍(フォン・ヒッペルーリンドウ症候群)
・眼のがん(網膜芽細胞腫)
・内分泌系の腫瘍(多発性内分泌腫瘍症1型2型)

なども遺伝的要因が大きく関わるがんといわれています。

遺伝性のがんは、同じ臓器に何度もがんができたり、
ひとつの箇所だけではなく異なる臓器にいくつもがんができたりすることがあるので、
体全体のがん検診も受けることが推奨されています。

参考:がん情報サービス「遺伝性腫瘍・家族性腫瘍」http://ganjoho.jp/public/cancer/genetic-familial/index.html

 

伝性がんの特徴は?

健康診断の問診票などでは、「家族にがんにかかった人はいますか?」という質問項目があります。
ここでいう家族とは、血のつながりのある両親・兄弟姉妹・祖父母などのこと。

親族にがんが発生した人がいるかの問いは、家族性の腫瘍の疑いを確認するためにあるのです。

遺伝性のがんが疑われる特徴

・若くしてがんにかかった
・複数のがんに次々にかかった
・めったにないがんにかかった(男性の乳がんなど)
・皮膚や骨などに遺伝性腫瘍の特徴的な症状がある
・生まれつき染色体の異常が疑われる

親族がこのような遺伝性のがんの特徴に当てはまると、がんに関わる遺伝子を持っている可能性があります。
遺伝子の保有が疑われる場合は、遺伝相談外来などの専門医に相談しましょう。
遺伝についての理解を深め、予防することをおすすめします。

参考:がん情報サービス「人のがんにかかわる要因」8遺伝素因 遺伝するがんと遺伝しないがん
http://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause/factor.html

また、がんになるリスクが高いのであれば、治療にかかる経済的な負担を軽くするため、
がん保険に加入することも検討しておきましょう。
万が一のために準備しておけば、安心して治療を受けることができます。

親族が乳がんなら私も必ず罹るの?

日本では、女性のがん罹患のうち20%は乳がんが占めています。
また乳がん全体のうちの5~10%に特定の遺伝子が関わっている「遺伝性乳がん」があります。

2親等以内の親族が乳がんにかかったことがある場合には、
この遺伝子を保有している可能性があり、乳がんになるリスクが高くなります。

遺伝子検査で遺伝子の変異が発見された場合は、
専門家との相談により経過観察や乳腺・卵巣等の予防的切除が検討されます。

遺伝子を持っていたら、必ず乳がんになるの?

親族が乳がんである場合や、自分に乳がんの遺伝子が発見されたからといって、
必ずしも乳がんになるとは限りません。

親戚に乳がんにかかった人がおらず遺伝的要因がなくても、
喫煙や食生活など後天的な生活習慣でがんのリスクは上がると考えられています。

逆に、乳がんの遺伝子を持っていても環境的要因に気をつけていれば
リスクを抑えることができます。

また遺伝的要因のほかにも、次に当てはまる人は乳がんの発生リスクが高まる傾向にあります。

・出産歴がない、初産年齢が30歳以上、授乳歴がない
・初経年齢が早い、閉経年齢が55歳以上
・たばこを吸う人、お酒をよく飲む人

乳がんは検診による早期発見が可能な上、
初期のがんであれば予後が良好であることも知られています。
月に一度は自分で触ってしこりや皮膚が変化している部分がないか確認し、
普段の乳房の状態を知っておいてください。
いつもと様子が違ったら早めに専門機関を受診しましょう。

また、しこりのすべてが乳がんとは限りません。
検診でしこりが発見され、要検査になる人は1,000人中50~100人。
再検査し、乳がんと診断される人は100人中3人ほどだそうです。

参考:2015 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策情報センター http://www.ncc.go.jp/jp/cis/
日本乳がんピンクリボン運動「はじめよう!月に1度のマンマチェック」「気になる乳がんの発生と症状」http://www.j-posh.com/checkup/mammacheck/

 

もし、遺伝性のがんが疑われたら?

自分もがんの遺伝子を持っているかもしれないと気になったとき、
まずどこに相談すればよいのでしょうか。

遺伝に関する相談は、自分の将来や病気、家族のプライバシーに関わる
センシティブな情報が含まれるため、誰にでも気軽に話せる内容ではありません。

遺伝子専門の資格を持った臨床遺伝専門医や、認定遺伝カウンセラーがいる
遺伝相談外来で遺伝カウンセリングを受けることをおすすめします。

カウンセリングでは、遺伝性のがんの遺伝子を持っているかどうか、
持っていた場合どのように対処すればいいか、
今後の予防策や検診についてのアドバイスを聞くことができます。

また、相談にいくときに必要になるのはできるだけ詳しい家系の病歴です。

正確な診断を受けるため、親族の「誰に」「どの時期に」「どの部位に」がんが発生したのか
あらかじめ整理してから訪問するとよいでしょう。

遺伝子検査の結果は将来を大きく左右するかもしれず、不安が増す人もいるようです。
検査を受けるか受けないかは慎重に考えましょう。

最後に

遺伝するがんは、がん全体の5%以下といわれています。
また、がんは早期発見、早期治療でその後の生存率が高くなる病気です。

必要以上に心配に思うことはありませんが、2親等内の親族にがんが発生した場合はきちんと検診を受け、
カウンセリングで余計な不安を取り除きましょう。

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Writerこの記事を書いたライター

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