がんのステージ4って?女性を脅かす恐ろしい「浸潤性(しんじゅんせい)乳がん」

がんの怖さは、一度手術しても転移や再発があること。女性の12人に1人がかかるという乳がん、なかでも浸潤性(しんじゅんせい)の乳がんは再発リスクが高いがんです。転移や再発のメカニズム、がんのステージ、治療法などいざというときに備え、しっかり知っておきましょう。

【目次】
がんの再発や転移ってどういうこと?
もし浸潤性乳がんと言われたら? 乳がんの転移とは
ステージによって何が違うの? ステージ4ってどんな状態?
乳がんが再発したら、どんな治療をするの?
再発で治療は長期にわたることも。がん保険の準備も
最後に…若くても乳がん検診を受けましょう

がんの再発や転移ってどういうこと?

ある日の検査でがんの「再発」が発覚。初回の手術や化学療法でがんは取り除けたはずなのに…。再発がんの告知は、最初のがんのとき以上にショックを受けると言います。

再発: 手術で取り切れていなかった小さながんが現れたり、抗がん剤や放射線治療で一時は小さくなったがんがまた大きくなったり、別の場所に同じがんが出現=「転移」することです。

転移: がん細胞が最初に発生した場所から、血液やリンパの流れに乗って移動し、他の臓器や器官で増殖することをいいます。リンパの流れが集中するリンパ節や、血液の流れが豊富な肺や肝臓、脳、骨などに転移するケースがよく見られます。

もちろん初回の治療でがんが完全に取り除かれていれば、再発はありませんが、がんは発見された時点で、すでに目に見えない転移があると言われます。それが時間とともに増殖していく。がんの再発は決して珍しいことではないのです。

がんの種類によって、再発や転移の可能性や起こる場所はある程度予測できるので、再発・転移を予防するために、初回の治療では、手術前後に抗がん剤を使ったり、手術後に放射線治療をしたりすることがよくあります。
でも、残念ながらがんの再発・転移を100%防ぐことは不可能です。

もし浸潤性乳がんと言われたら? 乳がんの転移とは

女性にとって最も心配ながんは「乳がん」でしょう。

国立がんセンターの2015年がん罹患数予測では、国内で乳がんを発症する女性は年間89,400人。厚生労働省の「昭和27年度人口動態統計」によると、2015年の乳がんでの女性の死亡者数は13,584人。

乳がんは、30歳代後半から増え始め、40歳代後半~60歳代前半で最も多く発症します。

非浸潤がんと浸潤がん

乳がんは、大きく「非浸潤がん」「浸潤がん」に分けられます。ともに多くは最初、乳管に発生します。

「非浸潤がん」は、がん細胞が乳管上皮に発生したがん細胞が基底膜(表皮と真皮の間の薄い膜)を超えず、上皮内に留まっている状態です。初期段階なので自覚症状がほとんどなく、乳頭の分泌物や、検診のマンモグラフィーなどでようやくわかるケースがほとんど。浸潤していない(広がっていない)ため、転移リスクが低く、完治の可能性が高いがんです。

しかし非浸潤がんを放置すると、がん細胞は乳管の外側に拡大して浸潤がんになります。このため、手術で腫瘍をきちんと切除することが大切です。

「浸潤がん」は、非浸潤がんが進行し、がんが乳管内から外の組織に広がり増殖するがんで、胸にしこりを感じる乳がんの90%以上が浸潤がんです。

「乳頭腺管がん」、「充実腺管がん」、「硬がん」の3タイプに分類されますが、最も悪性なのは「硬がん」。乳管の外側に点在して増殖するがんで、リンパ節転移を起こしやすい特徴があります。

乳がん治療は手術が基本となります。手術では、乳房にできた「がん」や「がん組織を含めた周囲の正常組織」を切除します。手術前後に薬物療法や放射線治療などを必要に応じて行うこともあります。

乳がんの転移

乳がんは比較的進行が遅いのですが、転移しやすいがんです。
がん細胞がまだ小さい時期からでも乳腺組織からこぼれ落ち、血液やリンパの流れを通して、リンパ節や他臓器へ転移します。

最初に転移するのが、わきの下のリンパ節。進行すると、肺・肝臓・骨・脳などに「遠隔転移」します。

ステージによって何が違うの? ステージ4ってどんな状態?

がんのステージ = 病期は、場所・大きさや広がり・リンパ節への転移の有無・他の臓器への転移の有無といった要素を総合して判断されます。

一般にがんのステージは、大きく0~4期の5つに分類されます。ゼロに近ければがんが小さくとどまっている状態、5期に近いほどがんが広がっている進行がんということです。

乳がんのステージ

乳がんの場合は、しこりの大きさ・リンパ節転移の有無・遠隔転移の有無で決定しますが、8期にステージ分けされます。
【ステージ0・1・2A・2B・3A・3B・3C・4】の順に重症になります。ステージ1~4は浸潤がんです。

ステージ0 … 早期の非浸潤がん
ステージ1 … 腫瘍の直径が2cm以下で、わきの下のリンパ節へ転移していない状態
ステージ2A・2B … しこりの大きさと、わきの下のリンパ節転移の有無で分類されます
ステージ3A・3B・3C … しこりの大きさと、リンパ節(わきの下・骨の内側・鎖骨周辺)への転移の有無、周辺の組織との癒着の状態で分類されます。

乳がんのステージ4はどんな状態?

ステージ4は、がんが、肺・肝臓・骨・脳など、遠隔の臓器へ転移している、いわゆる末期がんです。
ステージ2の5年生存率は95.2%ですが、ステージ4は32.6%。さらにステージ4の10年生存率は15.6%です。

症状は、肺に転移していれば胸の痛みや息苦しさ、骨に転移していれば痛み、骨折、脊髄圧迫が、脳の場合は頭痛、激しい吐き気、めまいなどが出てきます。

ステージ4の治療は

ステージ4では、腫瘍を切除しても完治は難しいので、手術はあまり選択されません。

完治ではなく、痛みの緩和や延命を目的に治療が行われ、基本的には全身治療として、ホルモン療法、分子標的薬、抗がん剤治療が行われます。それによって、がんの進行を遅らせ、生存年数を延ばすようにします。薬物療法などで腫瘍が小さくなり、手術で取り除ければ、もう少し延命ができるようです。

痛みが激しい場合には医療用のモルヒネで、痛みを軽減します。痛みが取れることで、以前と同様の日常生活を過ごせるようになる患者さんも多いようです。

また、病院によっては「緩和ケア」も同時に行なわれます。体や心のつらさをやわらげ、できるだけ自分らしく過ごせるように、QOL(Quality of Life) = 生活の質を維持できるような支援がされます。

 

乳がんが再発したら、どんな治療をするの?

乳がんは再発の可能性が高いのが特徴。再発は2~3年以内が最も多いのですが、10年以上経過して再発するケースもあります。また、ステージが上がるほど再発率が高く、ステージ3以上では50%以上が再発すると言われています。

再発した乳がんの中でも、初回で手術をした部分だけに再発することを「局所再発」と言い、他の臓器など違う場所に再発した場合を「遠隔転移」と言います。

局所再発なら、腫瘍さえ取れば完治する可能性があるため、手術とともに放射線治療や薬物療法(抗がん剤・ホルモン療法・分子標的薬など)を併用し、完治を目指した治療が行われます。

遠隔転移の場合は、ステージ4に相当するので、前述と同様の治療になります。

再発で治療は長期にわたることも。がん保険の準備も

がんは、手術をして終了ということはなく、その後も放射線治療や抗がん剤療法などが続き、治療が長引く病気です。再発となれば、なおさらのこと。ましてや乳がんは再発リスクの高いがんです。

医学の進歩とともに、新しい治療法や新薬も次々と出てきます。ただ、保険適用外の抗がん剤を使いたい、分子標的薬を使いたいとなると、月々の治療費は高額になります。がんは他の治療も併用することが多いので、負担額は更に高くなります。

たとえ、そうなっても、お金の心配なしで最善の治療法を選びたい…。そのために、がん保険や医療保険は大きな力になります。

もっとよい治療法を探したい、別の医師の意見も聞いてみたいときには、セカンドオピニオンを受ける方法もあります。主治医だけでなく、別の専門医の見解を聞くことで、より納得して治療法が選べるかもしれません。最近の医療保険やがん保険には、病院や専門医の紹介などセカンドオピニオンの手配をしてくれるメディカルサービスを充実させた商品もあります。

日本人の国民病=「がん」。多くの人に罹患の可能性はあります。がん保険や特定疾病保険、医療保険、さらに乳がんなどの婦人科系疾患が心配な方は女性向け医療保険などを元気なうちにぜひ検討してみてください。

最後に…若くても乳がん検診を受けましょう

最近よく耳にする「若年性乳がん」。主に34歳以下で発症する乳がんです。
多くがリンパ節転移を伴うなどの浸潤がんで、ステージ2以上の状態で見つかるケースが多いとか。進行が早く、再発リスクも高いのが特徴です。

進行してから見つかるのは、若年性乳がんは自覚症状があまりないこと、また、若いと、がん検診を受ける機会が少ないことも理由です。発症は遺伝が関係しているので、血縁の方が乳がんの場合は、若くても積極的に検診を受けるようにしましょう。

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Writerこの記事を書いたライター

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