今、女性に急増している「大腸がん」 小さなお子さんがいるお母さんや専業主婦は特に注意が必要です

女性のがんで最も多いのが大腸がんです。初期症状があまりなく、気づかぬうちに進行する、そこが怖いところ。原因や予防法を知り、そして必ず健診を受けること。自分の健康を後回しにしがちな主婦の方は、特にしっかりと対策を。

女性のがん死亡率トップ「大腸がん」の現状を知る

小田茜さんは36歳、商社勤務で、2歳の男の子のお母さんでもあります。最近叔母が大腸がんを発症。彼女自身も会社の健康診断の便潜血検査で陽性反応が出て、要精密検査と言われています。
仕事と子育てに忙しく、先延ばしにしていましたが、叔母のがんに遭遇し、急に不安が募ってきました。

女性のがんで最も多いのが「大腸がん」

がんの中でもここ数十年で急増しているのが「大腸がん」です。男性のがんでの死因では肺がん、胃がんに次いで第3位。女性の場合、乳がんや子宮がんが上位と思いがちですが、なんと第1位が「大腸がん」。年間2万人以上の女性が大腸がんで亡くなっています。

大腸がんにかかりやすい年齢は?若ければ大丈夫?

大腸がんの発症年齢は40歳くらいからで60代がピーク。茜さんのように30代までの若い人の発症は比較的少ないのですが、安心とは言い切れません。近親者が大腸がんという遺伝的要因があると、若くてもかかる可能性はあります。

どうして大腸がんが増えたの?

大腸がんは欧米に多く、昔の日本では少なかったのですが、日本で増加したのは、食生活の欧米化が原因。穀類や野菜、魚が中心の日本古来の食生活に肉がプラスされて欧米化し、動物性高脂肪食が一般的に。高カロリーで脂っこい食事は、便が大腸に長くとどまり、がんが発生しやすくなるのです。

なぜ女性に大腸がんが多いの?女性ならではの原因

茜さんの気がかりは大腸がんが女性に多いという点。特別な原因があるのでしょうか?

そもそも、大腸とは

大腸は消化管の一部で栄養素と水分の吸収を行い、便を作るのが役割です。肛門から近い順に、直腸、結腸(S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸)、盲腸に分けられます。

大腸がんは、大腸の粘膜の細胞が悪性腫瘍となり、次第に腸壁に深く広がる病気です。主に直腸とS字結腸に多く発生します。

女性が発症しやすい、そのわけは

女性ならではの理由がありますが、いちばんはズバリ!便秘です。

*便秘
便秘は便が腸内に停滞している状態です。長期間の便秘は、便に含まれる老廃物や有害物質が腸壁にずっと触れているということ。それが大腸がんを誘発します。女性は腹筋が弱いため、大腸が便を送り出す力が弱いことも便秘の原因となっています。

*ダイエット 
極端な食事制限をするダイエットは、便秘を招く引き金になります。栄養が偏ると良い便が作れなくなり、同時に食物繊維や水分の不足から慢性的な便秘に陥ることも。

話題の糖質制限ダイエットも、炭水化物を減らしすぎると、食物繊維が不足して便秘に至る場合があります。

*女性ホルモンの減少
女性は更年期に入る40代後半から罹患率が高くなり、50代には死亡率も高まります。女性ホルモンには大腸がんを防御する作用があり、その分泌量が年齢と共に減少することが影響しています。

*喫煙と過度の飲酒
喫煙者は非喫煙者に比べ、大腸がんになるリスクが約7倍。お酒を毎日1合以上飲む人は、飲まない人に比べて、ハイリスクになります。愛煙家、酒豪の女性は要注意。

見逃さないで!大腸がんの初期症状。予防するには?

大腸がんは5年生存率が99%と治りやすい「がん」です。
ただ「初期段階で見つかれば」が大前提。進行するとリンパ節や肝臓、肺などに転移して治療も困難に。こんな症状が出たら、すぐに受診してください。

がんのサインは便に現れます

下腹部痛、腹部の膨満感、貧血、残便感なども初期症状ですが、大腸がんは便に症状が出やすいのが特徴。便の状態は毎日確認を。

*血便や下血がある
便に血液がついている、排便後の紙に血がつく…血便と下血は典型的な症状。出血を痔と思って放置し、がんが進行ということもあります。また深部の大腸がんでは黒い便が出る場合もあります。

*便が細い
腸が狭くなったり詰まったりして便が鉛筆のように細くなることがあります。

*便秘、下痢を繰り返す 
腸が狭くなることで便秘になり、それを外に出そうと下痢になる。それが繰り返されます。

大腸がんにならない体を作る

肥満を防ぐ、禁煙、お酒を飲み過ぎないことは、生活習慣病予防と共通。大腸がんでは、さらに「食生活」と「運動」で便秘解消することが鍵になります。

*野菜をたっぷり摂る
食物繊維を多く、動物性脂肪は摂りすぎないこと。緑黄色野菜や魚を中心にした食生活にシフトしましょう。

適度な運動
運動不足も便秘の原因です。理想は1日1時間程度歩くことですが、軽い運動でも毎日継続すれば効果があります。

生活スタイルを急に変えるのが大変なら、できることからでOK。ファストフードをやめて定食を選ぶ、エスカレーターでなく階段を使うなど、自分でルールを作って実行しましょう。

主婦は特に注意が必要! 健診は必ず受けること

大腸がんは発症比率に男女差はあまりないのですが、女性の死亡率が高いのは、健診を受ける人が少ないことも理由のひとつ。2013年女性の大腸がん検診率は34.5%という低さでした。お尻の検査なので羞恥心から躊躇する人も多いようですが、専業主婦は家事や育児に追われ、つい健康診断を忘れるケースもよく見られます。


大腸がんの怖さは、初期ではほぼ自覚症状がない点。
そのため、気づいたときはかなり進行していたということも。しかし早期発見できれば高確率で治せるのが大腸がんです。

そのためには定期的に検診を受けることがなにより大事。40歳以上の場合、毎年の健診で、大腸がんで死亡する確率を60~80%減らせると言われています。

40歳以上の人、大腸がんや大腸ポリープになった近親者がいる人、喫煙者や、野菜嫌い&肉食中心という人も年に1度は検査を受けましょう。

茜さんの叔母は63歳。まさに大腸がん世代です。茜さん自身はまだ自覚症状はありませんが、内視鏡検査の予約を入れることにしました。

もし大腸がんになったら…そのときに備えて

医療技術の進歩で、がん全体の生存率は上昇傾向にあります。ただそれは、言い換えれば一度がんになると、そのがんとは長い付き合いになるということ。

大腸がんも同じで、進行していれば、治療に時間もお金もかかります。また初期がんを内視鏡手術で切除できても、その後、長期に渡って定期的な検診・検査が必要となります。

予防を心がけていても、思いがけず大腸がんになることはあります。万が一の出費に備え、「がん保険」の加入を検討することも、ひとつの防衛策と言えるかもしれません。

さて茜さんは大腸内視鏡検査でポリープが見つかり、その場でポリープを切除できました。生検の結果は良性で、ほっと安心。良性のポリープも将来的にがん化する恐れがあるので、今回の切除で未然にがんを防げたことになります。

忙しいなかでも自分の体に気を配ることの大切さを実感した茜さん。「いつも元気でいることが、お母さんの責任ですよね」と言っていました。外科手術を受けた叔母さんも経過が良く、まもなく退院なんだそう。音もなく忍び寄る大腸がん。まずは通常の健康診断で受けられる検便でのチェックから始めてみましょう。

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