子どもが生まれるときに知っておくべき「かかるお金」と「もらえるお金」

【監修: R&C株式会社 ファイナンシャルプランナー 菱村真比古】

妊娠を考えている人、出産を控えている人に向けて、
いま考えておきたいお金の話を「かかるお金」と「もらえるお金」に分けてご説明します。

妊娠出産のリスクが高い人が備えるべきこと、出産後にかかるお金もご紹介。
赤ちゃんのお世話が始まる前にいくら必要なのかしっかり把握しておきましょう。

【目次】
◆ 妊娠してから出産までに「かかるお金」
◆ 妊娠を考えたら知っておこう「もらえるお金」

◆ 妊娠リスク・出産リスクが高い人の医療費はどう備える?
◆ 子どもが生まれた後に「もらえるお金」は?
◆ まとめ

妊娠してから出産までに「かかるお金」

妊娠や出産にはトータルでどのくらいのお金がかかるのでしょうか。
妊娠や出産を控えている今、払うときになって慌てないように、
定期健診や分娩費用など妊娠にかかる出費のことをきちんと整理しておきましょう。

■妊婦健診

まず妊婦さんが必ず受ける医療機関での妊婦健診。
この健診では定期的におなかの中にいる赤ちゃんと妊婦の健康をチェックし、
異常がないかを確認します。

費用は1回の検診でおよそ5,000~10,000円
このほかに血液検査などの検査費が別途プラスになります。
出産までに平均14回ほどの健診を受けることになるので、合計10万円前後の費用がかかります

参考:厚生労働省「標準的な妊婦健診の例」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken13/dl/02.pdf

■分娩費用

自然分娩で30万~50万円、帝王切開では40万~100万円が相場のようです。
妊娠自体は病気ではないため、正常分娩は全額自己負担になりますが、
帝王切開の場合には保険が適応になります。

また、早朝や夜間、休日出産など時間外対応には、割増料金が数万円かかることが一般的です。
病院のサービスよっても金額の差はありますが、
自然分娩に割増料金等で平均して50万円ほどかかります。
(国民健康保険中央会「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成27年度)」による)

その他、妊婦が使用するマタニティー用品やベビー用品の準備にもお金がかります。
マタニティー用品は妊娠期間にしか使わないものが多いので、
出費の上限を決めて計画的に購入しましょう。
赤ちゃんのものはレンタルやお下がりをもらうなどすれば節約にもなります。

里帰り出産を希望している場合は、食費や光熱費として1ヶ月あたり2~3万円ほど包むのが相場です。
一般的には自分や親の経済状況などを考慮し、
きりの良い金額をお礼として渡すのがマナーとされています。

また、仕事をしている場合にはフォーマルな服が必要なこともあります。
仕事場にふさわしいマタニティー服のための資金も準備しておきましょう。

こうしてみると、定期健診や出産費用だけでも60万円以上のお金が必要になりそうです。
しかし、そのようなまとまったお金がないと妊娠や出産はできないのでしょうか。

次の章では「もらえるお金」についてお話します。

ポイント①:妊娠から出産までにかかるお金は最低でも60万円。

 

妊娠を考えたら知っておこう「もらえるお金」

妊娠や出産にはお金がまとまったお金が必要になることがわかりました。
しかし、かかるお金ばかりではなく、自治体や健康保険などからもらえるお金も少なくありません。
もらい忘れがないように今のうちからしっかりチェックしておきましょう。

■出産一時金

健康保険・国民健康保険から子ども1人当たり42万円支給されます。
出産にかかった費用から42万円をひいた差額を窓口で支払えば済む
直接支払制度を設けている病院もあるので、事前に確認しておきましょう。
この出産一時金によって分娩費用のうちの42万円がカバーされることになります。

■出産手当金

出産のため仕事を休み、給与の支払いがなかった場合、
出産予定日を含む産前42日から産後翌日以後56日目まで範囲で休んだ期間、出産手当金が受給できます。

1日当たりの受給額は、

支給開始日以前の継続した12カ月間の標準報酬月額を平均した額 ÷ 30日 × 2/3

で、計算します。

参考:全国健康保険協会「出産で会社を休んだとき」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3090/r148

■医療費控除

1年間の医療費が10万円以上、または総所得金額等の5%を超えた場合、確定申告をすれば、
所得に応じてかかったお金の一部がもどってきます。
定期健診や検査、通院費用、病院に対して支払う入院中の食事代は対象となりますが、
入院のために購入したパジャマなど身の回りのものに対しての費用は対象外です。

■定期検診の補助

妊娠が確定してお住まいの役所で妊娠届を提出すると母子手帳とともに、
定期健診で使うことのできる補助券がもらえます。
補助券の額は自治体によって違いますが平均して9万~10万円分の補助が受けられます。

ポイント②「もらえるお金」をすべてチェックして「かかるお金」をカバーしましょう。

 

妊娠リスク・出産リスクが高い人の医療費はどう備える?

「ハイリスク妊娠」「ハイリスク出産」という言葉を聞いたことはありませんか?
どのような状態を「ハイリスク」とよぶのでしょうか。

またその場合、通常の定期健診のほかに治療に費用が掛かる可能性があります。
妊娠出産に伴う医療費に備え、民間保険を確認しておきましょう。

■ハイリスク妊婦・ハイリスク出産とは

医師が胎児または母親が妊娠中から出産において、病気や死亡する確率が通常よりも高い状態で、
ハイリスク妊娠管理が必要と認めた人のことを一般的にハイリスク妊娠・ハイリスク出産といいます。

要因は、母親の年齢・身長・体重、流産や早産歴、妊娠高血圧症候群などの既往歴、
前回の出産での異常や、胎児の発育状況などが挙げられます。

■医療保険に加入するのは妊娠前がいいって本当?

妊娠中、合併症や帝王切開などで手術や入院をしたときには医療保険から給付金が出ることがあります。
ハイリスクの要件に当てはまる人は、今加入している保険の保障内容を確認しておきましょう。

ここで注意しておきたいのが、妊娠がわかってから医療保険に加入する場合です。
妊娠後は医療保険に入れなかったり、契約できても「特定部位の不担保」という条件が付くことがあります。
この「特定部位不担保」とは、帝王切開や吸引分娩、早期破水、前置胎盤、妊娠中毒症などの
妊娠出産にかかわる病気を一定期間、給付の対象から除くというもの。

妊娠中でも、別の病気やけがで入院する可能性もあります。
また不担保期間が過ぎると保障対象になるので、条件付きでも加入できるのであれば、
次の妊娠出産に備えて検討してみてはいかがでしょうか。

ポイント③ハイリスク妊娠には「もしも」に備えて、保険内容の確認を。

 

子どもが生まれた後に「もらえるお金」は?

出産するまでにはさまざまなお金がかかり、また、助成金などもらえるお金もあることがわかりました。
次は、出産後にかかるお金ともらえるお金をみていきましょう。

■出産後からかかるお金

子どもを保育園に預ける場合には保育料がかかります。
保育料は世帯年収や、子どもの年齢や人数、住んでいる自治体によっても異なってきます。

厚生労働省によると、妊娠中から保育園を探す「保活」をした人は保活全体のおよそ15%。
保育園に入園させる予定がある人は早めに探し始めることをおすすめします。

子どもが病気やケガをしたときに必要になる医療費。
医療費も保育料と同じように自治体によって助成制度が異なるので、
お住まいの市区町村に問い合わせてみてください。

■出産後からもらえるお金

・児童手当

0歳から中学校卒業までの子どもを養育している保護者に対して、
国から児童手当が毎年2月、6月、10月に前月までの分が支給されます。

支給対象年齢 支給額(月額)
0 歳~3 歳まで 15,000 円
3 歳から小学校修了前 (第1子・第2子)10,000 円
  (第3子以降)   15,000 円
中学生 10,000 円
所得制限世帯(年収960 万円以上) 5,000 円

第1子だとすると、0~3歳までの3年間は毎月15,000円、
3歳から中学修了までの12年間は毎月10,000円がもらえます。

ただし申請が遅れると、その月の手当が受けられなくなることもあるので、
出産後はすみやかに手続きをしましょう。

参考:内閣府「平成28年度における児童手当制度について」
http://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/gaiyou.html

■教育費は早めに準備を

子どもが大きくなるにつれかかるのが教育費。
こちらは公立や私立など学校によって金額は変わってきます。
子どもがどのような進路を選んでもいいように余裕をもって用意しておきましょう。

教育費の準備には、定期預金や財形貯蓄という方法もありますが、学資保険も検討してみましょう。
学資保険とは子どもの学費に備えるため、契約時に決めた年齢で祝金や満期保険金を受け取れる保険です。

学資保険の最大の特徴は、契約者である親が万が一亡くなってしまったときに、
それ以降の保険料が免除になること
また育英年金が給付される商品もあります。

学資保険には妊娠中に加入できるものがあり、生まれる前から教育資金の準備を始められます。
早めに検討し、就学前や義務教育期のお金を貯めやすい時期までに加入することをおすすめします。

教育はお金には代えられない財産です。
いざというとき足りないことのないように早いうちから準備しておきましょう。

必要な時期に十分なお金が貯まらなかった場合には、
奨学金制度や教育ローン制度などを利用する方法もあります。

ポイント④教育資金は早いうちから準備を。貯め方は自分に合ったものを選んで。

参考:文部科学省「平成」
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/1364721.htm

まとめ

かかるお金ともらえるお金は、加入している制度や住んでいる地域、
生活環境、生活スタイルなどによって差があります。

妊娠中の人やこれから子どもを持ちたいと考えている人は、
どれほどの金額が必要になるのか一度確認してみるとよいでしょう。

監修者プロフィール

R&C 菱村真比古

R&C株式会社 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)
中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

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