その生理痛は大丈夫? 痛みに潜む婦人科疾患・子宮の病気

現代の女性が生涯に経験する生理の回数は、なんと400~500回にも上るといいます。
女性の出産回数が多かった約50年前は50回ほどだったことから考えると、約10倍に増加。

そのため病気も多岐に渡り、婦人科疾患を抱えている女性が増えています。
女性が気をつけたい病気について、その症状や対処法を詳しくご紹介します。

【目次】
◆ 生理と生理痛の原因
◆ ひどい生理痛の裏に病気が隠れている可能性も「月経困難症」
◆ 「子宮内膜症」と「子宮筋腫」の基礎知識
◆ 「骨盤内感染症」についても知っておきたい
◆ まとめ

生理と生理痛の原因

医学的に「月経」と呼ばれる女性特有の身体現象。
これは「生理的出血」のことを指し、一般的に生理と呼ばれます。
女性が年頃になると、子宮内に赤ちゃんを育てるベッドとして
「子宮内膜」がつくられ、妊娠できる準備が整えられます。

妊娠しなければ、子宮内膜は血液とともに体外に排出されますが、
いわば生理はこのお掃除期間。新たなベッド(子宮内膜)をつくり、
必要がなくなれば掃除する(生理)という繰り返しが、
大体28日周期(正常な周期の場合)で行われます。

そして生理中には「生理痛」と呼ばれる下腹部の痛みや
頭痛・腰痛などが起こることがあります。

これは生理中に排出されるプロスタグランジンというホルモンが関わっています。
このホルモンの働きで、子宮が収縮、剥れた子宮内膜を経血として
体の外に押し出すのですが、プロスタグランジンが過剰に分泌されると
キリキリとした下腹部の痛みが生じます。

また、このホルモンには血管の収縮を促す働きや痛みを強める働きもあるため、
頭痛・腰痛・冷え・だるさなど、さまざまな症状を引き起こします。
特に若い女性は子宮口も狭く未発達なため、プロスタグランジンが過剰に分泌される傾向に。

この不快な「生理痛」に冷えは大敵です。
ブランケットやカイロの使用、適度な運動など、血行をよくする対策を考えましょう。
ただし、あまりに「生理痛」がひどい場合は、
病気が潜んでいる可能性もあるので注意が必要です。

ひどい生理痛の裏に病気が隠れている可能性も「月経困難症」

鎮痛剤が効かないほどの強い「生理痛」があり、
職場や学校に行くことができないなど、日常生活に支障がある場合を
「月経困難症」といいます。

その症状は、下腹部の痛み・腰痛・頭痛のほか、めまい・吐き気・
発熱・下痢などの身体症状、不眠・精神不調などいろいろ。

「月経困難症」には、「機能性月経困難症」「器質性月経困難症」の2種があり、
その違いは、陰に病気が隠れているかどうかということ。

大半の「月経困難症」は、原因が体質など病気によるものでない
「機能性月経困難症」に分類されますが、
なかには「子宮内膜症」「子宮筋腫」などの病気が原因となる
「器質性月経困難症」の場合もあるので、
耐えられないほどの痛みや不調がある場合は迷わず婦人科の病院にかかることが大切。

病院では、問診・内診・超音波検査が行われ、
ほかの病気が疑われるような場合は、
CT・MRIなどの精密な検査も行って総合的に判断します。

その結果、病気によるものではない「機能性月経困難症」であれば、
鎮痛剤・漢方薬・低用量ピルなどの薬物による対症療法がとられるのが一般的。
「器質性月経困難症」であれば、原因となっている病気に合わせた治療法が行われます。

「子宮内膜症」と「子宮筋腫」の基礎知識

「機能性月経困難症」の原因ともな「子宮内膜症」「子宮筋腫」どんな病気でしょうか。

子宮内膜症

通常、子宮の中にできる子宮内膜が、子宮以外の場所に増殖してしまう病気です。
子宮外にできた子宮内膜は、体外に排出されずに体の中で癒着が起き、炎症や痛みを発生させます。
生理の度に大きさを増すため、痛みはひどくなる傾向があります。

特にできやすい場所は、子宮と直腸の間、腹膜、卵巣など。症状としては、
ひどい生理痛、性交痛・排便痛・不正出血・経血過多・レバー状の経血の塊が出る・
嘔吐・発熱などが挙げられます。
ただし個人差があり、自覚症状がない場合も。
治療は、薬物療法、手術によるものがありますが、
生命を脅かすような悪性の病気ではないため、ナーバスになりすぎずに治療に臨みましょう。

子宮筋腫

子宮壁にできる良性の腫瘍です。
筋肉の異常増殖によって、コブのような腫瘍ができます。
原因は解明されていませんが、閉経後に小さくなる傾向があるため、
女性ホルモンに関係があると推測されています。

生理痛・頻尿・便秘・貧血などの症状が現れますが、無症状の人も多いのが特徴。

筋腫の大きさや数、できた場所によって治療方針は異なり、年1回程度の経過観察、
女性ホルモンの分泌を止める薬物療法、手術といった治療法がとられます。

「子宮内膜症」「子宮筋腫」も不妊の原因のひとつとして考えられるため、
不妊に悩む方も一度検査することをおすすめします。

「骨盤内感染症」についても知っておきたい

不正出血やおりものが増えるといった症状に合わせて、38度以上の発熱や腹痛が続く場合、
「骨盤内感染症」の疑いが出てきます。
これは、子宮、卵巣・卵管といった骨盤内で起きる細菌性の感染症の総称です。
「子宮付属器炎」「子宮内膜炎」などの病気をまとめてこのように呼びます。

卵管や卵巣での炎症は「子宮付属器炎」と呼ばれ、骨盤内で特に起こりやすい感染症です。
卵管で炎症が起きると不妊症や子宮外妊娠の要因となるため、
妊娠を望む人にとっては要注意であり、早期に治療することが大切です。

一方、膣からの感染が起きやすい分娩後や流産後に気をつけたいのが、「子宮内膜炎」
通常、生理があれば定期的に子宮内膜が新しいものへとつくり替えられるため、
発症しにくいのですが、生理が止まる間は細菌感染しやすい状況にあるといえます。

「骨盤内感染症」の原因は、クラミジアや淋菌などの細菌による性感染症、
子宮内避妊リング(IUD)、分娩や流産など。なかでも多いのが、
性感染症によるものですので、コンドームの使用が感染を防ぐのに役立ちます。

治療には、飲み薬や点滴によって抗菌薬が投与されます。

まとめ

女性ならば慣れていることの多い生理痛。
「いつもこんなもの」と軽く考えがちかもしれませんが、
その陰に重大な病気が潜んでいる可能性もあるということを覚えておきましょう。

症状が重いとき、少しでも違和感があるときは、
婦人科を受診して医師の診断を仰ぐことが大切。
女性特有の病気についても、日頃からしっかりした知識を身に付けておきましょう。

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