【知っておきたい】今、する ? もっと先でもいい ? 保険見直しのタイミング

知識不足だと、保険の見直しはハードルが高いイメージです。今回の相談者は、保険にはまるで疎(うと)いという山本幸さん(32 歳・IT 勤務)。生活の変化に伴い、保険の見直しが気になり始めた彼女と共に、見直しのタイミングと基本にフォーカスして考えてみます。

保険の見直しはいつがいい ?

山本幸さんは 32 歳、夫 34 歳で、ともに会社員。現在第一子妊娠中で、近々新居購入の予定です。夫婦とも生命保険に加入していますが、詳細は把握していません。子供のこと、家のこと、さらに夫は独立起業の希望があり、今後のやりくりは切実な問題。悩むより即行動の山崎さん、不安や疑問を FP(ファイナンシャルプランナー)の菱村さんに聞きに行きました。

山本 「そもそも見直しって、いつすればいいのでしょう ?」

FP「ライフプランの根底が変わるときが見直しどきと言えます。結婚、住宅購入、出産、退職、最近多いのは離婚したとき。最初にしっかり保険を設計しても、人生には新たなステージが必ず来るので、見直しどきも間違いなくやってきます」

山本「それまでの保険が、新しいライフスタイルに合わなくなるということですか ?」

FP「似合わなくなった古い服を新しい服に着替えるようなものです。今後の生活に合う、身の丈に合った保険にすることで、シンプルで無駄のない家計になります」

●ライフプランが変わるということは、大きなお金の出入りが予想されるとき。山崎さんの場合は、家族が増え、住宅ローンも発生、今がまさに見直しどきと言えそうです。

見直す前にすべきこと、知っていたいこと~民間 vs 共済

山本さん夫婦の保険は、夫 = 民間の生命保険(終身)、妻 = 共済の生命保険(定期)です。どちらも、20 代にあまり深く考えず加入したもの。民間と共済の違いも山崎さんが知りたい点でした。

FP 「見直しの際には、まず今の保険の保障内容をよく確認しましょう。それをベースに、何が足りないか、何が余分なのか、あるいは今のままでいいのかを検討したうえで、保険の再設計を考えます」

山本 「共済保険は、割安な保険料が魅力で入ったのですが、民間と共済はどこが違うのでしょう?」

FP 「それぞれにメリットとデメリットがあります」

民間保険

メリット: 終身なら一生涯保障。特約の種類が多く、ドル建て商品などラインナップが多様なため、ライフプランに合った設計ができる。返戻率が高い商品を選べる。非喫煙者割引の商品もある。

デメリット: 特約を多くつけると保険料が上がる。ラインナップが多いぶん、商品知識や社会保障の知識が必須で、素人が設計するのは難しい。

共済保険

メリット:  保険料が安い。割戻金がある。

デメリット: 60歳を越えた時点で保障のグレードが下がる。65歳以降は、5年毎に保障額が減る。ラインナップが少なく、細かなカスタマイズはできない。

山本 「これを見ると、共済を民間に変えたほうがいいのでしょうか ?」

FP 「どちらがいい、どちらが悪いとは言えません。あくまでライフプランに合うかどうかがポイントです。一般にライフスタイルがしっかり固まるまでは掛け捨ての安い保険をおすすめするのですが、例えば、ご主人の事業が安定するまでは共済で、その後民間に切り替え、と使い分けるのも手です」


●民間保険は多くの中から自分に最適なものを選べますが、一方、選択肢が多すぎるのが負担と感じるなら、共済保険が向いています。民間、共済の長所短所を知ったうえで、フィットする保険を選びましょう。

追加する ? 減らす ? 切り替える ?

見直しの方法は、追加削減切り替えの 3 つがあります。
保険初心者の山本さんからこんな疑問が。

山本「追加する、削減するのは、どんなときですか ?」

FP追加は、出産などで、より充実した保障が必要になった場合。削減は、過剰な保険をコンパクトにしたい場合で、住宅ローンを組んだとき、子どもが独立したとき など、家計の変化が起きる場合が相当します。さらに社会保障制度が変わった、転職で収入や福利厚生が大きく変化した、子どもの保育が終わって奥様が働き始めたなど、家計を大きく考え直す際も、追加・削減を検討したいですね」

山本「具体的にはどのようにするのですか ?」

FP「追加は * 特約を増やす * 別の保険に入る、以上 2 択です。
削減は * 不要な特約を外す * 解約する * 減額する(解約せずに保障のボリュームを削減する)* 払い済みにする(保険料はもう払わずに、既存の保険を終身保険か定期保険に変える)の 4 択です」

山本「同じような保障で保険料が安い場合は、切り替えをするべきですか ?」

FP「それもありです。また加入の保険がライフプランに合わなくなったときや、保険料が値上がりしたとき、医療保険なら新しい治療法に対応する保険が出たときも、切り替えは有効です。保険会社間には競争があり、今ベストな保険に加入しても、来年は他社からさらに安くていい商品が出る可能性があります。その際、年齢がひとつ増え、保険料が高くなったとしても、切り替えは正解かもしれません」

●社会保障制度や医療制度、金融政策が変わるときも、見直し(追加や削減、切り替え)を考えるタイミング。国策レベルの変革は遠い世界の話と思いがちですが、個人の保険にも少なからず影響を及ぼします。

これからの見直しのために

見直しの基本を知ったところで、山本さんはどんな方向で見直しを考えたらいいでしょう。

山本「今後、子どもの教育費や住宅ローンもあるので、保険料は安く抑えたいのですが」

FP「住宅ローンを組むのに加え、出産が近いので、保険の全体像を見直すといいでしょう。案としては、以下の 2 つがあります。

* 住宅ローン自体が生命保険に近い仕組みなので、今の生命保険の削減の可能性を探ります。

* 住宅ローンの団体信用生命保険の契約前に、収入保障保険と比較。安くできる可能性があります」特にフラット35で住宅ローンを組まれる場合は団信の契約が任意なので、比較をおすすめします。健康な男性で非喫煙者であれば40歳以下、喫煙者であれば35歳以下であれば保険料総額が削減できる可能性が高くなります」

山本「学資保険はいつ加入したらいいですか ?」

FP「多くの学資保険は、おおむね出産 140 日前から加入できます。ただ、教育資金を貯めるのが目的なら、学資保険にこだわる必要はありません。一定条件を満たせば学資保険よりも返戻率が高くなるタイプの終身保険や、個人年金保険、長期定期保険を活用して資金を貯める方法もあります。ただ、山本さんは住宅ローンの返済もあるので、あまり無理しすぎないこと。ご主人の収入が不安定なうちは、割り切って銀行の定期預金でも良いかもしれません」

●問題点が明確になり、意外に幅広い選択肢があることを知ってスッキリしたと言う山本さん。「これからは自分でも調べて情報を仕入れます」と言う彼女に FP からアドバイスが。
「今は、テレビ、雑誌、ネット、人などから保険の最新情報を得ることができます。しかし、すべてが正しいわけではありません。なかには発信者の解釈で捻(ね)じ曲げられた情報もあるので注意してください。」情報を鵜呑みにせず見極める眼を養うことも、賢い見直しのための秘訣と言えそうです。

プロフィール

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ウーマンライフエキスパート : 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)
中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

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