今の保険で大丈夫? 保険の見直し、ホントにするべき ?

最近「保険の見直し」という言葉をよく聞きます。保険ショップもあちこちで見かけるようになって 「うちの保険も、もしかして、かけ過ぎ ?」 と思っている方は多いはず。山本幸さん(32 歳)もそんなひとり。

子どもも生まれて、お金のこと、保険のことを真剣に考えねばと思う今日このごろ。今回、知人の紹介で FP = ファイナンシャル・プランナーに見直しを相談することにしました。

ライフプランが変わったときが、見直しを考えるタイミング~住宅購入はいちばんの保険見直しどき

さて、FP との1 回目の面談。そこでは、幸さん夫婦の加入の保険、住宅ローンの額、貯蓄額、職種や収入などなど、多岐にわたるヒアリングが行われました。

そして、2 回目、ヒアリング内容をもとに FP から提案がありました。最初に指摘されたのは、前年に住宅を購入している点。住宅ローンを組むと、団体生命保険が付加されます。

加入者が亡くなった際はその後の支払いが免除されるので、「家の購入金額に相当する大きな保険に入ったのと同じなんですよ」と言われ、幸さんもびっくり。

結婚、出産、退職など、ライフステージが変わったときが、保険の見直しどきと言われますが、なかでも最も見直すべきなのが、住宅購入時。幸さん夫婦にとって、今回の見直しはグッドタイミングでした。

万が一のとき生活費が足りるのか~保障額はいくらあれば間に合うかを考えてみる

新たに保険に入る場合も見直しをする場合も、万が一のことがあったとき、その後いくらあれば生活していけるのかざっと 計算しておくことが大切です。

幸さんの場合は、夫が亡くなった後、生活費に月 30 万円かかると設定。住宅ローンの支払いがなくなり、住居費はかかりません。遺族年金などの保障で、幸さんが 65 歳になるまで、平均月額 8 万円を受け取れることが予想されるので、

30 万円 – 8 万円 = 22 万円

22 万円の収入があれば間に合いそうと分かりました。幸さんは会社員ですが、小さな子どもを抱え、今後思うようには働けなくなることも想定されます。そこで FP と相談の結果、無理のない金額として、幸さんの収入を 12 万円と設定しました。

22 万円-12 万円 = 10 万円

この 10 万円が必要な保障額。これをベースに生活費を目的とした保険を検討することになりました。

注 : 幸さんは FP と相談のうえ金額を設定しましたが、必要保障額は、貯蓄額、夫の職種、妻の職業、子どもがいるか、家は持ち家か賃貸かなどさまざまな要素によって変わり、人それぞれです。さらに、職種によって遺族年金などの金額も違ってきます。大まかにはなりますが、今後の支出(今後の生活費 + 住居費 + 子どもの学費) – 収入(遺族年金 + 勤務先の死亡退職金)で算出できます。

四角い保険を三角にする~保険節約のテクニック

幸さんが気になっていた夫の保険は、生命保険と医療保険で 3 本あり、その保険料が家計でやや大きな比重を占めています。さらに、団体生命保険の加入者は夫なので、二重三重に保険に入っていることに。そこで、まずは夫の生命保険を再確認。夫の保険は次のとおりです。

1. 定期保険 3,000 万(60 歳払い済)掛け捨てタイプ・・・・・保険料月額 11,400 円

2. 終身保険 500 万(60 歳払い済)・・・・・・・・・・・・・・保険料月額 8,000 円

3. 医療保険(入院給付金 1 日 5,000 円)・・・・・・・・・・・保険料月額 2,300 円

以上合計 21,700 円

FP のアドバイスは、2 の終身の生命保険は解約せず、1 の定期保険を「収入保障型の保険」に切り替えるというもの。FP いわく「四角い保険を三角にしましょう」。
四角と三角って何のこと ? それぞれの一時金受け取り額のグラフを見るとわかります。

定期生命保険一時金での受取額

ご覧のとおりです。四角い形の定期生命保険に対して、三角形の家計保障保険。
それぞれの内容は、

定期生命保険

月額11,400円。保障期間中いつ亡くなったとしても 3,000 万円の保険金が出る。
累計保険料は 11,400円×336 か月(28 年)=3,830,400

家計保障型定期保険

月額 2,960 円。夫が亡くなった後、月々 10 万円受け取れる。歳を取るほどに、その後の受け取り総額は下がっていく。
累計保険料は 2,960円×336 か月(28 年)=994,560

定期生命保険の「いつでも 3,000 万円って、何だか安心」と思った幸さんですが、累計保険料を見ると、2つの保険には 300 万円近い差が ! また家計保障型定期保険の受取総額も 35 歳までは 3,000 万円を上回っています。四角い保険を三角にすることで、同じ効果でありながら、大きな節約になるのです。

必要以上の保障額は保険料が高くなるだけ~見直しになりません

32 歳で夫が亡くなったら、その後の生活に 3,000 万円は確かに必要でしょう。でも 59 歳で亡くなったとしたら、そのとき果たして 3,000 万円が必要でしょうか。そのころには子どもも自立し、少し待てば年金も出ますし、今よりも貯蓄も増えているはず。

今、必要な 3,000 万円が、将来も必要とは言い切れません。必要な保障額は年々減少していいのです。さらに、日本人男性の 60 歳生存率は 96%(「厚生労働省 平成26年簡易生命表」参照)。ということは保険を使う確率は 約4%です。

使わないまま健康で長生きすることも同時に考えるべき。安心料という観点から見ても、定期生命保険と家計保障保険の保険料の大きな開きは見逃せないところです。

必要以上の保障額を保険の給付金でまかなおうとしないことが、保険の節約の基本です。最低限をカバーしたうえで、生きていくことを大切にし、浮いたお金を貯蓄や子どもの養育費や将来への貯蓄に回すほうが、シンプルにかつきれいに家計のお金が回っていきます。

保険を見直すことはライフプランを見つめ直すこと~未来の自分と家族のために

アドバイスに沿って、保険を切り替えた幸さん。月々 8,000 円以上の節約に大満足でしたが、FP の 1 回目のヒアリングが印象的だったそう。

「我が家の経済状態はもちろんですが、普段のライフスタイルや休日の過ごし方、そして子どもの将来、思い描いている老後の夢なども聞かれました。話しているうちに、自分がこういう家庭を築きたい、こう働きたい、こんな暮らしをしたいという未来予想図が以前よりくっきりと見えてきて、これは思いがけない収穫でした」

保険を見直すことで、これからの人生をじっくり見つめるようになった幸さん。具体的なライフプランがあれば、家計のなかでの保険の位置づけも考えやすくなります。保険の見直しは、ライフプランづくりの良いきっかけにもなります。「これからは、自分でも主体的に保険について考えて、経済的にしっかりした土台を持つ家庭を作っていきたいです」と話す幸さんでした。

続きは Vol.2 をご覧ください。

プロフィール

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ウーマンライフエキスパート : 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)

中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

今回の質問者 : 山本幸さん
32 歳。同い年の夫、5 か月の男の子の 3 人家族。昨年、新居を購入。現在は育休中だが、子どもが 1 歳になったら、以前の IT 企業の営業職に復職する予定。月収は夫 420 万円/妻 340 万円。27 歳で結婚して以来、気楽な DINKS 生活を満喫していたが、今は家のローン返済、子どもの養育費用と、経済的な責任の重さをじわじわと感じている。気になっているのは、独身時代にすすめられるままに加入した、夫婦それぞれの生命保険。将来に備えて貯蓄もしたいので、保険を無駄なくコンパクトにし、節約したいという希望がある。

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