豊かな老後のために。まずは社会保険の保障内容を正しく理解することから

R&C のエキスパートたちが、保険に悩める人の質問にお答えする「教えてエキスパート」。毎月、さまざまな保険に関するゲストたちのお悩みを解決していくコンテンツです。

今回のお悩み相談者は、出版社勤務(正社員)19 年目・41 歳未婚の野村麻巳子さん(のむら まみこさん 仮名)。キャリアウーマンとしてバリバリと仕事に燃える彼女ですが、最近、自分自身の心身の衰えを感じ、友だちとの話題も健康や老後のことばかり。

「このまま一生ひとりで過ごすとしたら老後の備えは…」、「芸能人も話題に挙げられている女性特有疾患やガンが心配」、「離れて住んでいる両親の介護をすることになったら」などなど、将来への悩みは尽きません。いろいろなことを考えると、保険の検討をするのも一案と思った彼女は、さっそくエキスパートに相談することに。

今回の悩みを解決してくれるのは、ウーマンライフエキスパートの菱村真比古(ひしむら まさひこ)さん。彼女の抱える悩み…うまく解決されるのでしょうか ?

独身女性が豊かな老後を迎えるために、今から準備しておくべきことは何ですか ?

まず野村さんの給与から毎月当たり前のように差し引かれている社会保険料。この社会保険がどんな役割を持っているかを知ることから話は始まります。

生命保険や医療保険への加入を決める前に、まずは社会保険制度を知り、理解することが大切。そのうえで自分にとって不足している部分を補うために、賢い保険選びをおすすめします。

社会保険とは、病気やケガ・介護・老後・障害・死亡・労働災害・失業など、働けない事態に陥ったときに保険給付という形で幅広くカバーされる制度。
「健康保険」、「介護保険」、「国民(厚生)年金」、「高齢者医療」、「労災保険」、「雇用保険」などがあります。

日本の社会保険制度は安い社会保険料にもかかわらず、世界でも最高水準の手厚い制度だと言われています。

では、社会保険制度のなかの「健康保険」、「介護保険」、「国民(厚生)年金」、「労災保険」には、どのような保障があるのかを確認してみましょう。

【健康保険】

社会保険と聞いて、まず、「健康保険」を思い浮かべるのではないでしょうか(内容は会社が加入している保険組合によって異なります)。

病気やケガをした場合に全額自己負担で受診すると、その支払額は高額になります。しかし、野村さんは健康保険に加入しているので、自己負担は 3 割の支払額で済みます。

では、健康保険で保障される内容はというと…

療養の給付 : 診察、薬剤、入院、手術、在宅療養など

現金の給付 : 療養費、特定療養費、入院時食事療養費、入院時生活療養費、訪問看護療養費、高額療養費、移送費、埋葬料(費)、出産育児一時金、傷病手当金、出産手当金(国民健康保険にはない)

●診察・入院 : 3 割(70 歳未満)自己負担金

●薬剤 : 薬の種類などによって、一定額の一部負担金

●入院時食事療養費 : 入院したときの食費(1 食 260 円)を自己負担

●訪問看護療養費 : 自宅で療養を受ける状態で、主治医の指示のもとで指定訪問看護事業者から訪問看護を受けたときは、1~3 割(70 歳未満)自己負担金

●高額療養費 : 1 か月の医療費の自己負担額が高額となり、申請した場合、一定の自己負担限度額(一般的な所得の方は 80,100 円+(総医療費-267,000 円)×1%)を超えた分を払い戻し

●傷病手当金 : 健康保険や共済の被保険者が、病気やケガで会社などを休むことで報酬を受けられないときに、療養中の生活保障として支給(国民健康保険では、市区町村から支給されないところがほとんど)

●出産育児一時金 : 1 児につき一律 42 万円支給

●出産手当金 : 本人が出産以前 42 日から出産翌日以後 56 日のうちで欠勤した日数分に標準報酬額の 3 分の 2 相当額を支給

●埋葬料(費): 本人が死亡した場合、埋葬を行う人に 5 万円支給

【介護保険】

40 歳以上の全国民が加入する「介護保険」。40 歳から介護保険料の支払いが発生します。「居宅サービス/居宅介護支援」「施設サービス」「地域密着型サービス」の 3 つのサービスを 40 歳から受けられます。基本的に利用は 1 割の自己負担額で済みます。

●居宅サービス/居宅介護支援 : 訪問介護、通所介護など

●施設サービス : 介護老人福祉施設、介護老人保健施設など

●地域密着型サービス : 定期巡回、随時対応型訪問、認知症対応型共同生活介護など

【国民(厚生)年金保険】

全国民が加入しなければならない「国民(厚生)年金」。まだまだ先の話、と今はまだ現実には受け止められないかもしれませんが、老後を保障する大切な保険です。「年金」には国民年金と国民年金の基礎年金に上乗せした厚生年金があります。高齢になったときに受け取る「老齢年金」以外にも、「障害年金」、「遺族年金」などがあります。

●老齢年金 : 20 歳から 60 歳になるまでの 40 年間の全期間保険料を納付した人に、65 歳から満額の老齢基礎年金を支給

●障害基礎年金 : 国民年金に加入している間、障害等級 1 級・2 級による障害の状態にある期間に支給

●障害厚生年金・障害手当金 : 障害等級 1 級・2 級に該当した場合に障害基礎年金に上乗せして支給。障害等級 1~3 級に該当しない軽度の障害の状態の場合、厚生年金から障害手当金が一時金として支給されます。

●遺族年金 : 年金に加入中の方が亡くなった時、18 歳未満の子どものいる配偶者か子に支給

【労災保険】

一般に会社員などの方が、業務中や通勤中に病気やケガなど、あるいは死亡をした場合、適用されるのが「労働者災害補償保険法(労災保険法)」。「労災保険」とは労災保険法に基づく制度で、業務災害または通勤災害による、負傷・疾病・障害・死亡などで、被災労働者またはその遺族に対して所定の保険給付をおこなうものです。会社負担の掛け金で保障されています。

●療養(補償)給付・療養の支給

●休業(補償)給付

●障害(補償)給付・障害(補償)年金・障害(補償)一時金

●遺族(補償)一時金

●遺族(補償)年金

●葬祭料

●傷病(補償)年金

●介護(補償)給付

●二次検診等給付

社会保険制度について、いかがでしたでしょうか。改めて確認してみると、何となく給与から天引きされている社会保険料によって、自分がどのように保障されているのか、あらゆる「いざ」にどう役立つかがわかったと思います。

そして、すでに保障されている社会保険の仕組みを知ったうえで、自分にとって保険は必要かどうか、またどの点が不安なのかが見えてきたのではないでしょうか。

「ガンになったときが心配」、「女性疾患の保険は得か」、「個人年金保険にも入ろうかな」…など、あとは個人のニーズに合わせた保険を選ぶことが大切です。

一般的な社会保険についてわかったところで、いよいよ具体的な内容へ進みます。次回は、独身女性の場合の「今後の将来で、心配なのは何か」、「保険でカバーするならば、どんな保険を選べば良いのか」を見るところからはじめていきたいと思います。

プロフィール

rc%e8%8f%b1%e6%9d%91%e6%b0%8f

ウーマンライフエキスパート : 菱村 真比古(ひしむら まさひこ)

中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャル・プランナー。結婚や住宅購入のほか、社会保険制度が複雑に絡むライフプランをシンプルに紐解きます。柔軟かつ合理的な相談対応力で活躍中の「女性の人生を豊かにクリエイトするお金と保険のエキスパート」です。

得意分野 : ライフプランニング、住宅ローンアドバイス、相続の準備と対策
保有資格 : トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、DofD認定プロデューサー(T-PEC社認定)、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、公的保険アドバイザー®

今回の質問者 : 野村麻巳子さん(仮名)
出版社の正社員として勤務 19 年目を迎えるキャリアウーマン。独身。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

LAIFの人気記事をお届けします。

Writerこの記事を書いたライター

LAIFadmin

あわせて読みたいこちらもあなたにおすすめです

豊かな老後のために。まずは社会保険の保障内容を正しく理解することから ページTOPへ戻る