養老保険の満期金と税金の関係は?節税ポイントを紹介

養老保険とは、生命保険でありながら、貯蓄性もある保険のことです。とくに、掛け捨ての保険に抵抗感のある人に、人気の高い商品となっています。「養老」というネーミングではありますが、学資保険や子ども保険などもこれに含まれるため、若い世代にとっても身近な保険ではないでしょうか。
養老保険では、契約期間が満了すると満期金が支払われます。これが養老保険の楽しみの一つでもありますが、この満期金に税金がかかってくることがあります。また、誰が受取人なのかによって、その税金の種類が違います。場合によっては、高い税金を支払う事態になることもあるため、契約のしかたには注意しなければなりません。
ここでは、養老保険と税金の関係や、節税ポイントについて解説していきます。

 

 

養老保険には税金がかかる?

養老保険では、契約期間中に被保険者(保険の対象となる人)が死亡した場合、満期金と同額の死亡保険金が支払われます。この死亡保険金を誰が受け取るのかによって、かかってくる税金の種類が違います。
保険料を支払う契約者本人が被保険者だという場合、死亡保険金は相続人が受け取ることになるので「相続税」がかかってきます。一方、契約者が被保険者ではなく、かつ受取人でもある場合には、受取人に「所得税」がかかります。夫を被保険者として妻が保険をかけていて受取人にもなっている場合などがこれにあたります。このようなケースで夫が死亡したら、妻に所得税を納める義務が発生します。
また、被保険者と契約者、受取人が別々であれば、受取人に「贈与税」がかかってきます。妻が夫に保険をかけていて、子が受取人になるケースなどが考えられます。贈与税は受け取った側が支払うものなので、子に支払い義務が生じます。
それでは、契約期間が満了して満期金を受け取った場合はどうなるのでしょうか。保険料を支払う人と受取人が同じ場合は、「所得税」がかかってきます。しかし、受取人が違うなら、その受取人に「贈与税」が発生します。

 

 

一度に満期金を受け取ったら税金はどうなるのか

満期金の受け取り方には、一括で受け取る方法と、年金のように分割して受け取る方法があります。
一括で受け取る場合は、「一時所得」扱いになり、50万円までの控除が使えます。ところが、分割して受け取ると「雑所得」扱いになるため、控除がまったく使えません。大学入学に備える学資保険のなかには、大学4年間に毎年保険金を受け取れるプランがありますが、「雑所得」扱いになる可能性があることに注意しましょう。
そもそも、契約を解除したときに受け取れる「返戻金」や満期金に税金がかかるのは、利益が出た場合のみです。支払った保険料に税金がかかるわけではありません。支払った保険金より、受け取れる返戻金や満期金の額が少なく利益が出ていなければ、税金はかからないのです。また、利益が出ていたとしても少額の場合は、非課税となることがあります。
たとえば、満期金1000万円で、契約期間20年、毎月の保険料が3.8万円だった場合を考えてみましょう。課税対象額は、(満期金-支払った保険料の合計-50万円)×1/2で求めます。すなわち、(1000万円-3.8万円×12カ月×20年間-50万円)×1/2=19万円が課税対象額となります。一般的なサラリーマンの所得税率は10%なので、19万円×10%=1.9万円の所得税が発生します。
ところが、同じ条件で毎月の保険料が4万円だった場合はどうでしょうか。課税対象額は、(1000万円-4万円×12カ月×20年間-50万円)×1/2=-10万円×1/2となるので、税金がかかりません。つまり、受け取れる満期金と払い込んだ保険料の総額の差が50万円以下なら、所得税が発生しないのです。
しかし、保険料を払った人と受取人が別であれば、所得税より税率の高い贈与税がかかってきます。贈与税には1年あたり110万円の控除があります。贈与税は、(満期金-110万円)×贈与税率-控除額で求めます。先の例で考えると、1000万円の税率は40%で控除額は125万円なので、(1000万円-110万円)×40%-125万円=231万円の贈与税が発生することになります。良かれと思って安易に受取人を別人にしてしまうと、余計な税金がかかってくるおそれがあるのです。

 

 

控除を受けて節税対策

養老保険は生命保険の一種なので、所得税や住民税の金額を安くするための「生命保険控除」の対象です。サラリーマンであれば年末調整で会社から渡される「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」に、必要事項を記入すれば、控除が受けられます。年末調整ができない場合や間に合わない場合にも、確定申告を行えば同様に控除されます。
「生命保険控除」は、平成22年に改正されたため、契約時期がこれより前と後で記入の方法に違いがあります。平成22年以降の契約なら、「一般の生命保険料」「介護医療保険」「個人年金保険」の3つの保険が控除の対象となり、それぞれ4万円ずつ合計12万円の所得税控除が受けられます。住民税については、それぞれ2.8万円ずつ合計8.4万円の控除となります。かなり大きな控除が受けられるので、保険会社から郵送されてくる「生命保険料控除証明書」を大切に保管しておきましょう。

 

 

養老保険の注意点

養老保険は、相続税対策には向かないといわれています。その理由は、満期金や返戻金が支払われた時点で、そのお金はただの現金として扱われる、という点にあります。
契約期間中に被保険者が死亡したときに支払われる死亡保険金は、受取人固有の財産です。つまり、死亡した被保険者が生前持っていた財産ではないにしても、相続でもらったものとみなされるため(みなし財産)、相続税の対象になるのです。そのため、当然ながら遺産分割協議の対象外となります。ここで重要なのは、みなし財産に非課税枠があることです。その額は相続人の数×500万円となっています。死亡保険金がこの範囲におさまっていれば、税金がかかりません。
ところが、満期金や返戻金は、それが支払われた時点でただの現金として扱われます。そのため、遺産分割協議の対象となります。そのため、養老保険は相続税対策として活用するのが難しいのです。養老保険を利用するときには、このような場合も考慮して対策を講じておくことが重要です。
養老保険は、生命保険と貯蓄の両面を兼ね備えた保険ですが、一般に保険料が割高で、途中で解約すると返戻金が元本を割り込むことも珍しくありません。また、受け取れる満期金があらかじめ決まっているため、インフレに弱いのもネックです。
30代や40代といった若い世帯は、一般的に住宅ローンなどの大きな借金をする時期と重なります。ところが、怪我や事故などのアクシデントに見舞われると、住宅ローンの返済に手いっぱいになるなどして、養老保険を解約せざるを得ない事態に陥る可能性もあります。養老保険を考えているなら、その特徴を理解して、支払いに無理のないプランを利用することがポイントとなるでしょう。

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