いくらが上限?介護保険の利用限度額を徹底解説

公的介護保険を利用すれば、サービスに対する自己負担額は1割から2割程度になります。残りの分は公的介護保険からサービス提供者に対して支払われることになるためです。しかし、介護保険で利用できる1カ月の上限額は要介護度に応じて決められており、この決まりは「介護サービス利用限度額制度」と呼ばれています。限度額を超過して利用した介護サービスについては全額自己負担となってしまうため、あらかじめ限度額がいくらになるのかを把握しておくことが大切です。そこで今回は、介護保険の利用限度額について詳しく解説しましょう。

 

 

介護保険の利用限度額って何?

介護保険制度は、平成12年に社会全体で介護を支える仕組みとして始まった制度です。介護保険サービスを利用するには、住んでいる自治体に介護が必要であるという認定を受けるための申請をしなければなりません。この申請により、要介護度の区分が定められます。要介護度には、要支援1と2のほかに要介護が1から5まであります。要支援は介護が必要というほどではないものの、要介護への進行を予防する必要がある状態です。要介護は日常生活に支障をきたしているレベルであり、排泄や入浴の補助が必要な場合は要介護1、それに加えて歩行や起き上がりに介護が必要な場合は要介護2になります。最も重いレベルは要介護5で、介護なしに日常生活を送ることだけでなく、意思疎通も困難な状態です。
要介護者として認定されると、公的介護保険サービスの自己負担額が1割、一定以上の所得がある人の場合は2割になります。しかし、介護保険として支給される額は要介護度によって上限が定められており、その額を超えた場合には超えた分の全額が自己負担額となるので注意が必要です。

 

1カ月あたりの利用限度額はいくら?

介護保険の利用限度額は、要介護認定の区分によって異なります。1カ月あたりの区分毎の介護サービス利用限度額は、2018年3月現在で要介護度1の場合166,920円、要介護度2の場合196,160円です。要介護5の場合は360,650円になります。
たとえば、要介護2の人の上限額は毎月196,160円です。そして、実際に受けた介護サービスの総額が50,800円だったとしましょう。この場合、受けた介護サービスの総額が要介護2の利用限度額内に収まっているので、毎月支払う額は費用の1割である5,080円になるというわけです。しかし、もしも受けた介護サービスの総額が204,000円だった場合、上限額の1割である19,616円に加え、超過分である7,840円を加えた27,456円が負担額となります。
ただし、利用限度額は地域によって異なる場合もあります。自分の住んでいる地域の限度額がいくらになるのかということは、地方自治体の窓口やケアマネージャーに尋ねてみるとよいでしょう。

 

限度額があるからサービスを諦めることもある?

 

介護保険に限度額があるのなら、諦めないといけない介護サービスもあるのではないかと不安に感じる人もいるかもしれません。しかし、実際には要介護度が上がるにつれて限度額も上がっていきます。多くの場合、高額の介護サービスは要介護度が高い人に向けたものです。実際には受けたいサービスを受けられないということはあまりないでしょう。
もちろん、個々の介護者の事情によって受けたいサービスというのは異なります。そこで、厚生労働省では自己負担額が一定額を超えてしまった場合や、所得や資産等が一定以下の人を対象として負担額の一部を助成するといった介護保険の負担軽減策を実施しています。もしも利用限度額があるためにサービスを受けられないといった場合には、そのような制度を利用するとよいでしょう。
また、多くの地方自治体では個別の負担軽減策を行っています。たとえば、東京都では生活困難者に対する負担軽減事業としてサービス費の1割負担や食費負担を実施しています。自分が住んでいる自治体ではどのような負担軽減事業が行われているのか、調べてみるのがおすすめです。

 

高額介護サービス費制度もある

 

自己負担額の合計が一定額を超えてしまったとしても、申請することで超過分が支給される「高額介護サービス費制度」があります。この制度は、国の制度に基づいて各地方自治体が実施しており、個人の所得や世帯の所得に対して上限が異なるので注意が必要です。まずは自分がどの区分にあてはまるのかをよく把握しておきましょう。
具体的な内容としては、まず生活保護を受給している人の自己負担上限額は毎月15,000円です。また、世帯の全員が住民税を課税されていない場合には、月に24,600円が上限となります。世帯の中で一人でも住民税を課税されている人がいる場合には、その額が現役並みかどうかによって金額が異なります。現役並み所得者に相当しない場合は毎月3万7,200円、相当する場合は毎月44,400円が自己負担上限額です。介護費用がこの金額を超えた場合には、その分を請求することができます。
ただし、この高額介護サービス費制度は対象となる介護サービスとそうでないものがあります。たとえば、老人ホームなどの居住費や食費、差額ベッド代、生活費などは含まれません。また、在宅で介護サービスを受けている人が福祉用具を購入したり、住宅を改修した場合も高額介護サービス費の支給対象とはならないので気をつけましょう。
介護保険の利用には上減額があるものの、通常はその上限額の範囲にとどまるでしょう。また、もしも上限額を超えてしまっても、負担軽減策や高額介護サービス費制度を利用することができます。上限額を超えてしまうという人は、自分の住んでいる自治体が負担軽減策を実施しているかどうかということや、利用しているサービスが高額介護サービス費制度の対象となるかどうかをあらかじめ調べておくことが大切です。

 

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